東アジア:海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向

2026年4月8日、東アジア地域では海洋資源の確保と領有権を巡る沿岸国間の政治的緊張が依然として高い。特に南シナ海と東シナ海において、中国の一方的な海洋進出とこれに対する周辺国の対応が顕著であり、各国は海洋安全保障の強化と地域協力の模索を続けている。

南シナ海における領有権主張と中国の海洋進出

南シナ海では、中国による軍事拠点化と「グレーゾーン戦略」が周辺国との対立を深めている。2026年4月7日、台湾の蔡英文総統は、南シナ海の各諸島とその周辺海域に対する台湾の領有権を確保する揺るぎない決意を改めて示した。これは、同海域における台湾の主権主張を明確にするものだ。

一方、2026年のASEAN議長国であるフィリピンは、海洋安全保障の強化に向けて人工知能(AI)の活用を強調している。この動きは、海洋監視能力の向上と、中国の海洋進出に対する効果的な対応を目指すものと見られる。中国は南シナ海において、人工島の軍事化を継続しており、沿岸警備隊や海上民兵による「グレーゾーン戦略」を展開し、フィリピンやベトナムなどの周辺国との間で緊張を高めている。2026年3月にも、中国の軍事動向は南シナ海情勢の懸念材料として報じられている。米国もまた、中国による南シナ海の「独占危機」に対し警告を発している。

東シナ海における資源開発と日本の対応

東シナ海においても、中国による一方的な海洋資源開発が継続しており、日本はこれに対し強い懸念を表明している。2026年4月7日に公表された台湾の海底ケーブル損害分析報告は、中国の「グレーゾーン戦略」の一環として、日本の安全保障に与える潜在的な影響を浮き彫りにした。これは、東シナ海における日本の安全保障上の脆弱性を示唆するものでもある。

中国は2025年8月以降も、東シナ海の排他的経済水域(EEZ)が重複する海域で、一方的な資源開発活動を継続している。これに対し日本は、中国の行動は受け入れがたく、2008年の日中間の合意に違反すると繰り返し強く抗議している。2008年合意は東シナ海における共同開発を目指すものだったが、中国の一方的な行動により進展が見られない状況が続いている。日本は韓国と共に、中国の過度な海洋進出を非難している。

地域協力と海洋安全保障の強化

東アジア地域では、海洋安全保障の強化に向けた地域協力の動きも活発化している。日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想と、ASEANの「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」は、地域の安定と協力促進のための補完的な枠組みとして認識されている。

日本は、ASEAN加盟国の海洋法執行能力および安全能力の構築支援に積極的に取り組んでおり、機材供与や人材育成プログラムなどを通じて貢献している。2025年10月に開催された第28回日ASEAN首脳会議では、海洋協力の様々な側面が議論され、法の支配に基づく海洋秩序の重要性と紛争の平和的解決が再確認された。インドネシアもまた、地域の危機対応能力強化のため、インド太平洋地域のパートナーとの協力を強化している。

Reference / エビデンス