東アジア:権威主義体制による経済統制と資本市場の推移(2026年04月04日時点)

2026年4月4日、東アジア地域は権威主義体制下の経済統制と資本市場の複雑な動向に直面している。中東情勢の緊迫化が地政学的リスクを高める一方で、各国は独自の経済政策と市場戦略を展開し、国際社会の注目を集めている。

東アジア全体の経済動向と地政学的リスク

東アジア地域の経済見通しは、地政学的リスクと政策支援のバランスの中で推移している。ASEAN3マクロ経済研究所は、2026年と2027年のASEANおよび東アジア地域の経済成長率を4.0%と予測しており、底堅い成長が期待されている。しかし、中東情勢の緊迫化はエネルギー価格やインフレに影響を与え、3月には米ドルが上昇し、アジア通貨は対米ドルで下落する局面が見られた。

こうした状況の中、2026年4月6日にはトランプ米大統領の発言を受けて地政学的リスクがやや後退し、アジア通貨の買い戻しが強まった。これにより、東アジア通貨の対ドル相場は強含みで推移している。2026年のアジア経済は成長鈍化の可能性も指摘されるが、強力な政策支援によって底堅く推移するとの見方も示されている。

中国の経済統制と資本市場の課題

中国経済は、2026年の実質GDP成長率予測が4.6%と見込まれる中で、権威主義体制下の統制強化と資本市場の課題に直面している。特に、中国共産党の幹部評価基準がGDP成長から習近平国家主席への「忠誠度」へと変化している点は注目に値する。

国内では、不動産不況の長期化や若年層の雇用回復の遅れにより、内需が力強さを欠いている状況が続いている。これに対し、政府は不動産税の導入を検討するなど、新たな政策を模索している。一方で、中国人民銀行の金保有量は3月末時点で前月末比0.2%増の約2313トンとなり、17カ月連続で増加している。また、イランのホルムズ海峡通過料が人民元決済可能になったことで、関連する中国企業株が急騰する動きも見られた。中国発展ハイレベルフォーラムでは、多国籍企業の経営者が中国市場開拓への意向を示すなど、依然として中国市場への関心は高い。

北朝鮮の経済政策と予算拡大

北朝鮮は、2026年の国家予算を前年比5.8%増とする方針を示し、経済の立て直しと国防力の強化を図っている。特に、社会主義経済建設関連の支出は前年比105.5%に拡大し、全体の43.8%を占める計画だ。国防費は総予算の15.8%を維持しつつ、予算全体の増加に伴い実額も拡大する見通しである。

地方経済の活性化を目的とした「地方発展政策」や住宅建設事業も積極的に進められている。ロシアからの支援を背景に軍拡を進める一方で、経済的利益は限定的であるとの指摘も存在する。金正恩総書記がペット商店や楽器店を視察したことは、国内の新興富裕層の急増を示唆している可能性があり、経済構造の変化が垣間見える。

ベトナムの経済成長と資本市場の活性化

ベトナム経済は堅調な成長を続けており、2026年第1四半期のGDP成長率は前年同期の7.07%を上回る7.83%と推定されている。年間目標である10%の達成に向けて、さらなる成長加速が求められている。

ベトナム株式市場は、力強い経済成長、国内資本の回帰、そしてFTSEラッセル基準による新興市場への格上げの見通しに牽引され、新たなサイクルに入りつつある。資本市場は国際資本の流れの関心を高め、格上げ条件が徐々に完成するにつれて加速段階に入っている。2026年の株式市場は、改革の加速、規模の拡大、質の向上を必要とする新たな段階に入りつつあると認識されている。一方で、財務省は2026年第1四半期の成長率が期待を下回ったと認識しており、積極的な対応が必要であると述べている。

香港およびその他の東アジア市場の動向

香港の陳茂波財政長官は、2026年の株式市況について「慎重ながらも楽観視している」との見解を示している。2025年にはハンセン指数が累計で約6,500ポイント上昇し、上昇率は32%に達するなど、活況を呈した。現在、450社を超える企業が香港市場での上場承認を待っており、今後の市場の活性化が期待される。

一方、2026年4月1日の東京市場では、日経平均が前日比2675円高の5万3739円と5日ぶりに大幅反発し、トピックス、日経平均ともに5%の上昇率を演じるなど、東アジアの主要市場は多様な動きを見せている。

Reference / エビデンス