半導体産業への大規模投資と戦略的支援

日本の半導体産業は、政府と民間からの大規模な投資と戦略的支援により、国際競争力の回復と強化を目指しています。次世代半導体の国産化を目指すRapidusに対しては、2月27日に官民合わせて総額2,676億円の出資が実行されました。内訳は政府からの1,000億円と民間からの1,676億円です。

経済産業省は本日4月3日、「第8回 次世代半導体等小委員会」を開催し、半導体産業のさらなる発展に向けた議論を深めました。

また、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第2工場では、2028年の量産開始を目指し、3ナノメートル先端半導体の製造計画が進められており、最大7,320億円の補助金が投入される見込みです。

日本政府は、2030年までに国内半導体売上高15兆円、2040年には40兆円を目指す野心的な目標を掲げています。さらに、2030年度までに半導体・AI分野に10兆円以上の公的支援を投入し、官民合わせて50兆円超の国内投資を呼び込むことで、約160兆円の経済波及効果を創出する方針です。

AIの実装拡大に伴い、世界の半導体市場は2030年までに約140兆円、2035年には約190兆円規模に成長すると予測されており、日本の半導体産業にとって大きな機会が広がっています。

AI技術の推進と社会実装に向けた政策

AI技術の推進と社会実装も、日本の産業政策の重要な柱です。文部科学省は本日4月3日、「AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針」を策定し、関連する公募事業を開始しました。

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、「AI for Science」を通じて科学的発見と社会実装を加速する取り組みを進めています。

海外からの大規模投資も活発化しており、マイクロソフトは2026年から2029年までに日本に1兆6,000億円(100億ドル)を投資し、AIインフラ、国家安全保障、人材育成を支援する計画を発表しています。

経済産業省は4月1日に「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」を更新し、4月9日には「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」を公表するなど、AIの健全な発展と利用環境の整備にも力を入れています。

内閣府の調査によると、10歳以上の日本人の55%が生成AIを利用し、72%が対話型AIを使用していることが明らかになっており、AIの社会への普及が急速に進んでいることが示されています。

産業競争力強化と経済安全保障の法整備

日本の産業競争力強化と経済安全保障の確保に向けた法整備も着実に進んでいます。3月6日には、「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出されました。

この改正案の柱の一つである国内投資促進税制は、投資利益率15%以上、投資規模35億円以上の企業に対し、即時償却または7%の税額控除を認めるものです。

3月19日には、「経済安全保障推進法」の改正案が閣議決定され、衆議院に提出されました。この改正案は、日本企業の海外ビジネスへの資金支援(劣後出資の容認)や、半導体・重要鉱物などの特定重要物資の安定供給支援、医療分野の基幹インフラへの追加を主な柱としています。

さらに、3月13日には「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。この法案は、AI、先端ロボット、量子技術、半導体、通信などの重点産業技術の研究開発を促進することを目的としています。

科学技術予算の増額とイノベーション推進

日本の研究力強化とイノベーション推進のため、科学技術予算の増額も進められています。3月27日に閣議決定された「第7期科学技術・イノベーション基本計画」では、政府の研究開発投資を5年間で60兆円(前期比倍増)、官民合わせて180兆円とする目標が掲げられました。

文部科学省の2026年度予算案は5兆8,809億円と、対前年度比6.7%増となりました。特に「科学再興」関連予算は2兆35億円と、対前年度290億円増となり、過去最大の伸び率を記録しています。

JSTは4月10日に公募を開始する「先端研究基盤刷新事業(EPOCH)」を通じて、日本の研究力強化を具体的に支援します。この事業では、1大学あたり3年間で最大30億円(施設整備なし)または20億円(施設整備あり)に加え、施設整備費20億円が支援される計画です。

Reference / エビデンス