グローバル:国際海洋法を巡る領有権主張と政治的対立(2026年4月3日時点)

2026年4月3日、国際海洋法を巡る領有権主張と政治的対立は、南シナ海とホルムズ海峡を中心に激化の一途を辿っている。特にこの48時間、フィリピンによる島嶼改名やイランによるホルムズ海峡の管理強化といった動きが活発化し、国際社会の緊張が高まっている。

南シナ海における中国の威圧的行動とフィリピンの対抗措置

南シナ海では、中国の威圧的な領有権主張に対し、フィリピンが具体的な対抗措置を講じている。2026年3月31日、フィリピンは南シナ海における自国の「主権」を強化するため、100以上の島嶼の名称を変更すると発表した。これに対し、中国は4月1日、フィリピンの行動が国際法に違反すると非難し、主権を守るための「措置」を講じると警告した。

中国は2009年5月に国連に提出した「九段線」地図に基づき南シナ海の広範な海域に領有権を主張しているが、2016年のハーグ仲裁裁判所は国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、中国の主張には法的根拠がないとの判断を下している。しかし、中国はこの裁定を無視し、威圧的行動を常態化させているのが現状だ。

フィリピンは、米国、オーストラリア、日本との共同航行訓練を推進するなど、同盟国やパートナー国との連携を強化することで中国に対抗する姿勢を鮮明にしている。4月1日には、高市早苗総理大臣とマクロン仏大統領が会談し、インド太平洋地域における航行の自由へのコミットメントを再確認するとともに、不安定化を招く活動への反対を表明した。

ホルムズ海峡の通航権を巡るイランの主張と国際法の原則

中東の要衝であるホルムズ海峡では、イランが通航の管理を強化する動きを見せ、国際社会の強い反発を招いている。4月9日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)海軍は、ホルムズ海峡に機雷が敷設されていることを公式に認め、すべての船舶に対しIRGC海軍との事前調整を義務付ける「安全航路図」を公開した。無許可で通航する船舶は「標的とし、破壊する」と警告しており、イラン最高指導者モジタバ・ハメネイ師は、ホルムズ海峡の管理が「新たな段階」に入ると表明した。

この動きは、4月8日に発効した米国とイランの2週間の停戦合意の直後に発表されたもので、停戦が航行の改善にはつながっていないことを示している。通常時1日約135隻が通航する同海峡で、4月8日にはイラン関連船舶わずか7隻しか通過しなかった。

国際社会はイランの行動を強く非難している。3月19日には、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、日本、カナダを含む38カ国が共同声明を発表し、イランによる非武装商船への攻撃、民間インフラへの攻撃、そしてホルムズ海峡の事実上の閉鎖を最も強い言葉で非難した。声明は、国連海洋法条約を含む国際法の下で確立された「航行の自由」という基本原則を強調し、イランに対し脅迫行為や機雷敷設などを直ちに停止するよう求めている。

日本政府はイランに対し、ホルムズ海峡の全面開放を求める姿勢を貫いており、3月23日にイランのアラグチ外相が日本との選択的通過許可に関する協議に言及した際も、茂木外相はこれを否定し、日本が特定の国と抜け駆けするようなことはしないと明言した。4月3日には、イランとの戦争終結に向けた外交交渉が開始される見込みだ。

国際海洋法条約の普遍性と新たな海洋ガバナンスの枠組み

国際海洋法の分野では、新たなガバナンスの枠組みが着実に進展している。2026年1月17日には、約20年にわたる策定作業を経て、国連公海等生物多様性(BBNJ)協定が発効した。この協定は、国家管轄権外の海域(公海および国際海底域)における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を目的としており、気候変動、生物多様性の損失、汚染という「三重の地球環境危機」への対処に不可欠な貢献が期待されている。日本も2025年12月12日に加入書を寄託し、77番目の締約国となっている。

また、南大西洋地域では、マルビナス諸島(フォークランド諸島)の領有権を巡る動きも続いている。アルゼンチンは、外交交渉を通じてマルビナス諸島の主権を回復したいとの意向を改めて表明しており、英国との二国間交渉再開の用意があるとしている。国連も、この問題を当事国間の交渉を通じて解決すべきだと述べている。これらの島嶼周辺には大規模な油田が存在する可能性があり、交渉の行方が注目される。

Reference / エビデンス