日本:エネルギー政策の転換と原子力発電再稼働の推移(2026年04月02日時点)

2026年4月2日、日本はエネルギー安全保障の強化と脱炭素化の両立を目指し、エネルギー政策の大きな転換期を迎えています。昨年閣議決定された第7次エネルギー基本計画に基づき、原子力発電の再稼働推進と再生可能エネルギーの最大限導入が加速。特に、排出量取引制度の本格稼働や海洋再生可能エネルギー関連法案の施行など、具体的な政策が動き出しています。

エネルギー政策の全体的な転換

日本政府は2025年2月18日に第7次エネルギー基本計画を閣議決定し、エネルギーの安定供給と脱炭素化を両立させる方針を明確にしました。この計画は、2040年度までに温室効果ガスを2013年度比で73%削減するという目標(NDC)と整合する内容となっています。

具体的な政策動向として、2026年4月からは排出量取引制度(GX-ETS)が本格稼働します。これは、2023年度からの自主参加型試行期間を経て、年間CO2直接排出量が10万トン以上の事業者約300~400社に対し、参加が義務付けられるものです。これにより、国内排出量の約6割がカバーされ、企業の脱炭素への取り組みが経済的なインセンティブによって後押しされると期待されています。

また、2026年4月1日には「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が施行されました。これは、洋上風力発電などの海洋再生可能エネルギー開発を促進するためのもので、日本の再生可能エネルギー導入拡大に向けた重要な一歩となります。

原子力発電の再稼働状況と将来展望

原子力発電は、エネルギー安全保障と脱炭素化の両面から、その活用が再び重視されています。2026年4月2日現在、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機は、2026年4月16日に営業運転を開始する見込みです。同機は今年1月21日に再稼働しましたが、警報に関する不具合や漏電警報の作動により、2度の営業運転延期を経ていました。東京電力は、部品交換などの対応を終え、現時点で大きな支障はないとして、予定通りの営業運転再開に向け準備を進めています。

政府は、2030年度の電源構成において原子力を20~22%とする目標を掲げており、2040年度には約2割程度の比率を目指す方針です。この目標達成には、安全性が確認された原子力発電所の再稼働が不可欠とされています。

また、原子力発電所の運転期間延長に関する新たな仕組みも導入されています。GX脱炭素電源法により、経済産業大臣の認可と原子力規制委員会の認可を受け、安全性が確認された原子力発電所は、60年(一定の停止期間は除外)運転することが可能となりました。30年を超えて運転する場合には、10年以内ごとに設備の劣化に関する技術的評価を行い、長期施設管理計画を策定し、原子力規制委員会の認可を受けることが義務付けられています。

再生可能エネルギーの導入状況と拡大戦略

再生可能エネルギーの導入も着実に進展しています。2024年度の日本国内の年間発電電力量に占める自然エネルギーの割合は26.5%に達しました。特に太陽光発電は、2024年度末の累積設備容量(ACベース)が約7600万kWに達しており、変動性自然エネルギー(VRE)全体の割合は12.6%となっています。

政府は、2030年度の電源構成における再生可能エネルギーの割合を36~38%とすることを目標としており、2040年度には40~50%程度を目指す方針です。

具体的な取り組みとして、2026年4月1日からは、三井不動産、東京ドーム、東京電力エナジーパートナーの3社連携により、東京ドームシティ向けに新規太陽光発電由来の再生可能エネルギー電力の供給が開始されました。この取り組みにより、2028年度までに東京ドームシティの年間使用電力量の約32%がリアルな再エネ電力に切り替わり、年間約9,600トンのCO2排出量削減が見込まれています。

エネルギーミックスの現状と課題

2026年4月2日時点の日本の電源構成は、依然として化石燃料への依存度が高い状況にあります。2024年のデータでは、火力発電が約65%を占めており、燃料価格の高騰や地政学リスクがエネルギー政策の不安要因となっています。

電力需給の安定化に向けた緊急対策として、経済産業省は2026年4月から1年間限定で、非効率な石炭火力発電所の稼働制限を解除する方針を決定しました。これは、中東情勢の緊迫化による液化天然ガス(LNG)の調達不安に対応するための措置であり、中東に依存しない石炭の活用により、LNGを約50万トン節約できると見込まれています。

柏崎刈羽原子力発電所6号機の営業運転再開は、夏の電力需給見通しに大きな影響を与えるとされています。特に電力需給が最も厳しいと予想される東京電力管内においても、同機の再稼働により電力の余力が確保される見通しです。これにより、電力の安定供給に貢献し、中東情勢悪化による燃料調達リスクの軽減が期待されています。

Reference / エビデンス