日本:エネルギー政策の転換と原子力発電再稼働の推移 (2026年3月29日時点)

2026年3月29日、日本はエネルギー政策の大きな転換期を迎えている。2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」は、「S3E」(安全性、安定供給、経済効率性、環境適合)の原則を深化させるとともに、「強靭性」を新たな柱として追加し、GX(グリーントランスフォーメーション)への投資を重視する方針を明確に打ち出した。

日本のエネルギー政策の全体像と転換

「第7次エネルギー基本計画」では、2040年度の電源構成目標として、再生可能エネルギーを4~5割、原子力を2割、火力を3~4割と設定している。また、2026年度からはカーボンプライシングが本格的に導入され、2040年までの電力需要は2023年度比で1~2割増加すると予測されている。

こうした政策転換の議論は活発に進められており、2026年3月3日には経団連が資源・エネルギー対策委員会を開催し、資源エネルギー庁長官からエネルギー情勢に関する説明を受けた。さらに、2026年3月17日には経済産業省資源エネルギー庁総務課長を講師に招いたエネルギー政策に関する勉強会が開催されるなど、3月中も政策議論の動きが活発であった。

原子力発電再稼働の現状と課題

原子力発電の再稼働は、日本のエネルギー政策における重要な柱の一つとなっている。2026年3月10日時点で9基が営業運転中であり、2026年3月31日時点では累積で15基が再稼働済みである。

特に注目されるのは、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機の状況だ。同機は2026年2月に発電・送電を開始し、3月3日には最大出力に達した。

一方で、原子力発電所の運転には課題も散見される。2026年2月2日には関西電力美浜発電所3号機で非常用発電装置の自動停止事象が発生したが、2月5日には復旧している。また、関西電力大飯発電所4号機は2026年3月4日から定期検査に入り、高浜発電所2号機も2026年1月23日から定期検査中である。

今後の見通しとしては、北海道電力泊発電所3号機が2027年初頭の再稼働を目指している。しかし、中部電力浜岡原子力発電所3・4号機の審査は2026年1月に中断されるなど、再稼働に向けた道のりは依然として不確実性を伴う。

2026年3月前後の具体的な動きと影響

2026年3月前後のエネルギー政策および原子力発電再稼働に関する具体的な動きは、電力需給に直接的な影響を与えている。

2026年3月1日、東京電力パワーグリッドは初の再生可能エネルギー出力制御を184万kW規模で実施し、3月7日にも87万kWの出力制御を行った。これらの出力制御は、柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働が影響した可能性が指摘されている。

経済産業省が2026年3月27日に公表した夏の電力需給見通しでは、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働により、最も厳しいとされていた東京電力管内でも9月には安定供給に必要な供給余力4.0%が確保される見通しとなった。また、中東情勢の悪化に備え、2026年4月から1年間、非効率石炭火力の稼働制限を解除する方針が正式決定された。

省エネルギー・新エネルギー分野でも動きが見られる。2026年3月30日には「給湯省エネ2026事業」の交付申請受付が開始される予定だ。さらに、2026年3月19日には再生可能エネルギーのFIT/FIP制度における2026年度以降の買取価格等が設定された。

Reference / エビデンス