東アジアにおける海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向:2026年3月25日時点の分析
2026年3月25日、東アジアの海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向は、南シナ海と東シナ海を中心に緊迫した状況が続いている。特に、中国の広範な海洋法執行活動と、これに対する周辺国の外交的・軍事的対応が注目される。この数日間で、南シナ海における中国とフィリピンの対話再開、中国海警局による新たな海洋資源・環境保護活動「碧海藍盾2026」の開始、そして東シナ海における日本の抗議活動など、複数の重要な動きが確認された。
南シナ海における領有権問題と外交動向
南シナ海では、中国とフィリピンの間で1年以上中断されていた領有権紛争に関する協議が、2026年3月22日に中国・泉州で再開された。両国は、海洋における意見の相違を適切に管理し、非敏感分野での協力の可能性を探ることで一致した。フィリピンは、南シナ海の行動規範(COC)が国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に準拠し、法的拘束力を持つべきだと主張している。COC交渉は2026年7月までの完成を目指し、第3回読会に入っている。
一方、地域安全保障の枠組みでは、2026年3月23日から27日にかけて、日本、米国、フィリピンが台湾近海を含む南シナ海で初の合同演習を実施した。この演習にはフィリピン海軍の巡視船BRPグレゴリオ・デル・ピラールが参加し、中国軍艦艇による追跡も確認された。また、フィリピン軍は、2026年の米比合同軍事演習「バリカタン」に日本の戦闘部隊が初めて参加すると発表しており、これは第二次世界大戦後初めて日本の戦闘部隊がフィリピンの土を踏むことになる。
中国海警局は、東沙島周辺海域で法執行巡察活動を実施しており、中国側はこれを正当かつ合法的なものと主張している。台湾の海洋委員会は、中国の活動活発化を受け、東沙諸島の防衛強化を進める方針を示している。
東シナ海における資源開発と日本の対応
東シナ海では、中国による一方的な資源開発活動が継続しており、日本はこれに対し繰り返し抗議を行っている。2026年1月には、中国が日中中間線の中国側海域で移動式の掘削船を活動させていることが確認され、外務省は「極めて遺憾」として外交ルートを通じて抗議した。日本政府は、日中中間線の西側でこれまでに計22基の構造物を確認しており、これらの活動が日本の排他的経済水域(EEZ)から資源を奪う可能性を懸念している。
日本は、東シナ海の資源開発に関する2008年の日中合意の履行に向けた交渉再開を中国に強く求めている。しかし、中国は両国関係の悪化を理由に交渉を中断しており、一方的な開発行為を継続している。2025年には、尖閣諸島周辺の接続水域で中国海警局の船舶が確認された日数が357日に達し、過去最高を記録した。また、日本の領海への侵入も32日間確認されている。
中国の海洋法執行活動と地域安全保障
2026年3月25日、中国海警局、工業情報化部、自然資源部、生態環境部、国家林業草原局、国家文物局の6部門は、海洋資源と生態環境保護を目的とした「碧海藍盾2026」特別法執行行動を共同で開始した。この行動は3月25日から11月25日までの8ヶ月間にわたり実施され、無人島の生態環境保護、海岸線の動態変化、新型重点分野の海洋利用プロジェクト、海上石油探査開発活動、海上廃棄物投棄、海洋自然保護区、海底ケーブル・パイプライン保護、水下文物保護など9つの重点分野に焦点を当てる。特に、国家文物局が新たに加わり、水下文物保護が重点項目とされたことは注目に値する。
東アジアの海洋安全保障に関して、日本の防衛大臣は「自由で開かれたインド太平洋」の実現の重要性を強調し、太平洋島嶼国やASEAN諸国との連携強化を呼びかけている。日本はASEANとの間で、海上保安人材協力や巡視船の供与などを通じた能力強化支援を継続しており、海洋安全保障分野での協力関係を一層強化する方針である。
Reference / エビデンス
- 日本・アメリカ・フィリピンが台湾近海で初の合同演習 中国軍による追跡も…フィリピン艦船から見た南シナ海のピリつく現状
- フィリピンと中国、1年以上の中断を経て南シナ海協議を再開 - Investing.com
- 中国とフィリピンが南シナ海問題で重要な合意に達した。 - Vietnam.vn
- フィリピン当局者が表明、南シナ海の行動規範は国際法に準拠すべき
- 国台办:大陆海警在東沙島附近海域执法巡查正当合法 - 中国新闻网
- YouTube
- 中国による東シナ海での一方的資源開発の現状|外務省 - Ministry of Foreign Affairs of Japan
- 中国が日中中間線の海域で掘削船、新たなガス田開発か…日本の資源が奪われている可能性
- 東シナ海の開発問題で日本が中国に抗議 - ARAB NEWS
- 中国による東シナ海での一方的な資源開発に関する新たな動きについて|外務省
- 中国海警局等六部门联合部署“碧海蓝盾2026”执法行动
- 中国海警局等六部门联合部署“碧海蓝盾2026”执法行動
- 中国海警局等六部门联合部署“碧海藍盾2026”执法行動 - 凤凰网财经
- 防衛大臣臨時記者会見
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