東アジア:海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向

東アジア地域では、南シナ海および東シナ海を中心に、海洋資源権益を巡る沿岸国間の政治的緊張が継続しています。中国の海洋進出に対するフィリピン、日本、韓国、ベトナムなどの沿岸国の対応、および米国やオーストラリアなどの域外国との連携強化は、地域の安全保障環境に大きな影響を与えています。本稿では、2026年3月22日を中心とした48時間前後の期間における東アジアの海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向に焦点を当て、中国の活動、関係国の対応、および地域協力の現状と課題を分析します。

南シナ海における中国の活動とフィリピンの対応

南シナ海では、中国による威圧的な海洋活動が常態化しており、特にフィリピンとの間で緊張が高まっています。中国海警船によるフィリピン漁船への妨害や、人工島建設の継続が確認されています。2025年12月には、中国海警局がフィリピン漁船に放水攻撃を行い、乗組員3人が負傷する事案が発生しました。また、2025年5月にも中国海警局の船が放水銃を使用した事件が報じられています。これらの威圧的行動は、2024年に中国とフィリピンの対立が激化した状況を反映しており、セカンド・トーマス礁、スカボロ礁、サビナ礁といった係争海域では、中国海警船が年間を通じて哨戒活動を強化しています。例えば、2024年にはセカンド・トーマス礁で282日、スカボロ礁で300日、サビナ礁で290日もの哨戒が確認されています。

これに対し、フィリピンは国際社会への訴えや共同訓練の実施を通じて対抗姿勢を強めています。2026年3月28日には、中国とフィリピンの南シナ海に関する二国間協議メカニズムの第11回会合が開催され、両国は南シナ海問題の平和的解決に向けた重要な合意に達しました。 また、2026年2月6日には、フィリピン当局者が南シナ海行動規範(COC)が国連海洋法条約(UNCLOS)に準拠すべきであるとの見解を表明しています。 フィリピンは、2026年1月9日の報道によれば、南シナ海問題において多国間協力を強化する方針を示しており、国際法に基づく秩序維持の重要性を訴えています。

東シナ海における中国の一方的資源開発と日本の抗議

東シナ海においても、中国による一方的な海洋資源開発の動きが続いており、日本政府はこれに対し強く抗議しています。外務省は、日中中間線の西側にある中国の構造物が計22基に上ることを確認しており、これらの構造物から炎が上がっているのが確認された2023年12月には、日本政府が中国に強く抗議しました。

特に、2025年8月25日には、中国が東シナ海の日中中間線の西側に新たな構造物を設置しようとしていることに対し、日本は強く抗議しました。 さらに、2025年5月15日にも外務省は、中国による東シナ海での一方的な資源開発に新たな動きを確認し、強く抗議しています。 日本は、2008年に合意された東シナ海の資源開発に関する日中間の合意の履行を求めていますが、中国側はこれに応じず、一方的な開発を継続している状況です。この問題は、日中関係における主要な懸案事項の一つとして、依然として解決の糸口が見えていません。

地域協力と国際法の遵守

東アジアの海洋安全保障を巡る地域協力の動きは活発化しており、各国は国際法の遵守を強く求めています。2026年2月21日には、米国とベトナムの防衛協力が地域の海洋課題の中で勢いを増している状況が報じられました。 これは、南シナ海における中国の活動に対抗するための地域的な連携強化の一環と見られます。

フィリピン当局者は、2026年2月6日に南シナ海行動規範(COC)が国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に準拠すべきであると表明しており、国際法に基づく平和的解決の重要性を強調しています。 また、2025年7月15日には、日本と韓国が中国の海洋的過剰進出を非難する共同声明を発表しており、地域の安定に向けた多国間協力の必要性が高まっています。 国連海洋法条約(UNCLOS)は、南シナ海問題の平和的解決の基盤であるという認識が国際社会で共有されており、多国間協力の進展が地域の安定に不可欠であるとされています。しかし、中国が国際仲裁裁判所の判決を無視し、一方的な主張を続けている現状は、地域協力の大きな課題となっています。

Reference / エビデンス