日本のエネルギー政策転換と原子力発電再稼働の最新動向(2026年3月)

2026年3月20日、日本はエネルギー政策の大きな転換期を迎えています。特に、原子力発電の「最大限活用」を掲げる「第7次エネルギー基本計画」と、脱炭素社会の実現を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)政策の実行が加速しており、その動向が注目されています。

日本のエネルギー政策の全体像とGX(グリーントランスフォーメーション)戦略

日本政府は、エネルギーの安定供給確保と脱炭素化の両立を目指し、エネルギー政策の基本的な方向性を大きく転換しています。特に「第7次エネルギー基本計画」では、原子力発電を「最大限活用」する方針が明確に打ち出されており、これはエネルギー安全保障と脱炭素化への重要な一歩と位置づけられています。

グリーントランスフォーメーション(GX)政策の実行も本格化しており、2026年は「脱炭素実行元年」とされています。 2026年1月10日には、2026年4月からの排出量取引制度の本格稼働と、省エネ法の大幅改正が発表されました。 これらの制度改正は、企業活動における脱炭素化への取り組みを一層強化するものです。また、2026年3月3日には経団連が資源・エネルギー対策委員会を開催し、資源エネルギー庁長官から2040年に向けた日本のエネルギー政策の取り組みについて説明が行われました。

原子力発電所の再稼働状況と課題

原子力発電所の再稼働は、電力の安定供給と脱炭素化の鍵を握る要素として、着実に進展しています。2026年3月10日現在、3事業者・6サイト・9基が営業運転中であり、2026年3月31日時点では合計15基が再稼働済みとなる見込みです。

特に注目される動きとして、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機が2026年2月に発電および送電を開始しました。 また、北海道電力泊発電所3号機は2027年の早期再稼働を目指しており、準備が進められています。 安全性向上対策工事も各所で進んでおり、日本原子力発電の東海第二発電所では、海水取水ピットの鉄筋コンクリート工事が完了するなど、着実な進捗が見られます。 これらの再稼働は、電力需給の安定化に大きく貢献すると期待されています。

電力需給の見通しと安定供給への影響

原子力発電所の再稼働は、日本の電力需給の安定化に大きく寄与しています。経済産業省が2026年3月27日に公表する2026年夏の全国の電力需給見通しでは、柏崎刈羽原発の再稼働により、最も厳しいとされていた東京電力管内でも安定供給に必要な供給余力を確保できる見通しが示されています。

一方で、中東情勢の悪化に伴い、石炭火力の稼働率を高める方針も示されており、燃料調達の安定化が引き続き課題となっています。 また、2026年4月からは電気・ガス料金の政府補助金が終了するため、料金の値上がりが予想されています。東京電力管内では前の月と比べて458円高い8777円、東京ガス管内では前の月と比べて193円高い5747円となる見込みです。

再生可能エネルギーの動向とエネルギーミックスの将来

原子力発電の活用と並行して、再生可能エネルギーの導入も加速しています。2026年3月19日には、再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等が設定され、さらなる導入促進が図られます。

2026年3月11日には、自然エネルギー財団が国際シンポジウム「REvision2026」を開催し、東日本大震災から15年を経て、エネルギー転換の軌跡と未来への展望について議論が交わされました。 日本は、2040年度の電源構成見通しとして、再生可能エネルギーを4~5割程度、原子力を2割程度、火力を3~4割程度とする目標を掲げており、多様な電源を組み合わせた最適なエネルギーミックスの実現を目指しています。

Reference / エビデンス