日本:エネルギー政策の転換と原子力発電再稼働の推移(2026年3月18日時点)

日本は現在、エネルギー政策の大きな転換期を迎えています。脱炭素社会の実現と安定した電力供給の両立を目指し、政府はグリーントランスフォーメーション(GX)の推進を加速させるとともに、原子力発電の役割を再評価しています。本日は、2026年3月18日時点における日本のエネルギー政策の最新動向、特に原子力発電の再稼働状況と関連する規制委員会の動き、そして電力需給の見通しについて詳報します。

エネルギー政策の転換とGXの推進

日本のエネルギー政策は、2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」によって、その方向性が大きく転換しました。この計画では、原子力発電の位置づけが従来の「可能な限り依存度を低減」から「最大限活用」へと変更され、エネルギー安全保障と脱炭素化の両面で重要な役割を担うことが明確にされました。

GX推進に向けた具体的な制度変更も進んでおり、2026年4月からは排出量取引制度(GX-ETS)が本格稼働する予定です。これは、企業が排出する温室効果ガスに価格をつけ、排出量削減を促すための重要な施策となります。また、近年増加傾向にあるデータセンターや半導体工場の新増設に伴い、日本の電力需要は2026年度から増加フェーズに転じる見込みであり、安定供給の確保が喫緊の課題となっています。

2030年度のエネルギーミックス目標としては、再生可能エネルギーが36~38%、原子力が20~22%、火力が41%以下と設定されており、これらの目標達成に向けた取り組みが加速しています。

原子力発電再稼働の現状と規制動向

原子力発電所の再稼働は着実に進展しており、2026年3月10日時点で9基が営業運転中となっています。さらに、2026年3月31日時点では合計15基が再稼働済みとなる見込みです。

本日3月18日には、第66回原子力規制委員会が開催され、関西電力美浜発電所3号機の審査結果案の取りまとめや核物質防護規制のあり方などが議論されました。また、来週3月25日に開催が予定されている第67回原子力規制委員会では、事業者との技術的意見交換を踏まえた代替原子炉の設計に関する規制上の対応方針、特にコアキャッチャーの導入について議論される見通しです。

さらに、来月4月1日には、原子力規制委員会が原発のテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の設置期限を延長する決定を行う予定であり、安全対策の強化と現実的な運用とのバランスが図られています。

電力需給と再生可能エネルギーの動向

2026年度の電力需給見通しでは、夏季・冬季ともに全国の全エリアで安定供給に必要な最低限の予備率3%を確保できる見込みであり、短期的には安定供給が維持されると予測されています。

再生可能エネルギーの導入も引き続き推進されており、明日3月19日には経済産業省が2026年度以降の再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における買取価格等を設定する予定です。これにより、再エネ導入のさらなる加速が期待されます。

また、先週3月11日には、自然エネルギー財団が「REvision2026」国際シンポジウムを開催しました。東日本大震災および福島第一原子力発電所事故から15年間のエネルギー転換の歩みを振り返り、今後の展望について活発な議論が交わされました。

燃料調達の面では、国内のLNG(液化天然ガス)在庫は一定水準を確保しており、短期的には安定供給が維持される見込みです。しかし、中長期的なLNG価格の上昇が懸念されており、燃料の安定的な確保に向けた戦略的な取り組みが引き続き求められています。

Reference / エビデンス