グローバルサウス:主要新興国の多角外交と政治的自律性

2026年3月16日、国際社会は「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の台頭により、かつてない多極化の時代を迎えています。経済的影響力の増大と国際秩序における独自の立場を背景に、これらの国々は多角的な外交戦略を展開し、政治的自律性を追求。既存の国際関係に新たな潮流をもたらし、国際協力と競争の双方において重要な役割を担っています。

グローバルサウスの台頭と国際秩序の変容

グローバルサウスは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、オセアニアに位置する新興国や途上国を指し、その経済的・政治的影響力は国際秩序を大きく変容させています。IMFの試算によれば、インドのGDPは2026年には日本を抜き、世界第3位の経済大国となる見込みです。グローバルサウス全体のGDPは、2025年の23.1兆ドルから2030年には32.0兆ドルに達すると予測されており、世界経済における相対的な存在感を高めています。購買力平価(PPP)ベースでは、2025年には世界のGDPの34%を占め、2050年には45%に達すると予測されています。

人口増加も著しく、2050年には世界の人口の約3分の2をグローバルサウスが占めると予想されており、特に南アジアとアフリカの伸びが顕著です。これらの国々は、エネルギーや鉱物資源の主要な供給源でもあり、その戦略的価値は高まる一方です。2026年3月16日現在、グローバルサウス諸国は、既存の国際秩序における自らの発言権を強化し、より公平で包摂的な国際システムを求めています。

多角外交戦略と政治的自律性の追求

グローバルサウス諸国は、米中露などの大国間競争において、特定の陣営に偏らず、多角的な外交戦略を展開することで政治的自律性を追求しています。例えば、インドは米国主導のQUAD(日米豪印戦略対話)に参加しつつも、ロシアのウクライナ侵攻に対する国連決議では非難決議を棄権するなど、独自の外交路線を維持しています。これは、歴史的な植民地支配への反発や、欧米諸国に対する根強い不信感が背景にあるとされています。

経済面では、G7諸国からの投資を受け入れる一方で、中国の「一帯一路」構想にも参加するなど、双方のメリットを巧みに活用しています。2026年3月16日を中心とした期間においても、グローバルサウス諸国は、自国の経済発展と安全保障を最優先し、国際情勢の変化に応じて柔軟な外交を展開しています。中国は、グローバルサウス諸国との経済的関係を拡大しており、アフリカ諸国にとって最大の貿易相手国となっています。また、中国は「一帯一路」構想を通じて、グローバルサウスにおける資源権益の確保やサプライチェーンの強化を狙い、2025年には過去最高の投資額・建設費を記録しました。

グローバルサウス内の連携強化と課題

グローバルサウス諸国間の連携は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の拡大や上海協力機構(SCO)などを通じて強化されています。BRICSは2024年1月にエジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が正式加盟し、2025年1月にはインドネシアも正式加盟しました。これにより、BRICSは世界のGDPの35%以上、世界人口の45%を代表するブロックとなり、その影響力を一層拡大しています。2026年にはインドがBRICSの議長国を務める予定であり、その動向が注目されます。

G20においても、グローバルサウス諸国は重要な役割を担い、国際的な経済ガバナンスにおいて発言力を高めています。2023年にはインドの提案によりアフリカ連合(AU)がG20の常任メンバーとなり、アフリカの意見が国際協調の場で反映されるようになりました。

しかし、グローバルサウス内部には、経済発展の度合いや政治体制、文化、歴史的背景の多様性からくる経済格差や利害の相違が存在します。世界不平等報告書2026によると、世界の富の不平等は拡大しており、最も貧しい50%の人々が世界の炭素排出量のわずか3%しか占めていないにもかかわらず、気候変動による被害を最も受けやすいと指摘されています。気候変動、貧困、社会不安といった共通の課題に直面しており、これらの解決には国際社会全体の協力が不可欠です。

日本を含む先進国は、グローバルサウス諸国を単一のまとまりとして捉えるのではなく、それぞれの国の多様性を尊重し、対等なパートナーシップを構築することが求められます。日本政府は、グローバルサウス諸国との連携強化を重要課題とし、「グローバルサウス未来志向型共創等事業」などの補助金制度を通じて、日本企業と現地企業による社会課題解決やサプライチェーン強靭化を支援しています。巨額資金によるインフラ競争ではなく、長期的関与、人材育成、運営・制度構築支援といった日本の強みを生かした協力が、多極化する国際社会における安定と繁栄に繋がるでしょう.

Reference / エビデンス