グローバルサウスにおける非米ドル決済網の構築と通貨多極化の進展:2026年3月16日時点の動向

2026年3月16日、世界経済はグローバルサウス諸国が主導する非米ドル決済網の構築と、それに伴う通貨多極化の動きが加速する転換点に立っている。BRICS諸国を中心とした代替決済システムの推進、各国の中央銀行による外貨準備の多様化、そして中東情勢に端を発する地政学的な緊張が、この潮流を一層強めている。

BRICSによる非米ドル決済システムの推進

BRICS諸国は、米ドル建てSWIFTシステムへの依存度を低減させるべく、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を基盤とした決済システムの構築を積極的に進めている。2026年のBRICSサミットでは、議長国であるインドが、BRICS諸国間で中央銀行デジタル通貨を接続する「CBDCブリッジ」を新たな議題として発表したことが、2026年1月27日の報道で明らかになった。この動きは、BRICSがSWIFTに代わるデジタル通貨決済システムを構築しているという2026年1月29日の報道とも合致しており、既存のmBridgeプラットフォームの進展と相まって、非米ドル決済網の具体化に向けた強い意志を示している。

脱ドル化と通貨多極化の世界的潮流

米ドルへの依存を減らす「脱ドル化」の動きは、世界的に加速している。経済制裁回避、外貨準備の多様化、代替決済システムの開発、そしてデジタル通貨の台頭といった要因が、この潮流を後押ししている。2025年5月時点で、多くの国が脱ドル化を進めており、各国の中央銀行は外貨準備をユーロ、中国元、金などに多様化している。

特に注目すべきは、2024年6月にサウジアラビアと米国の間で長年続いた「ペトロダラー」協定が実質的に終了したことである。これにより、サウジアラビアは人民元などドル以外の決済を受け入れる姿勢を示し、脱ドル化の動きに拍車をかけた。

また、2025年には世界の中央銀行の保有資産における米国債の割合が約23%に低下し、金が約24%に増加して逆転したというデータも、通貨多極化の進展を明確に示している。

地政学的要因とグローバルサウスの経済協力

2026年3月16日前後の地政学的な出来事は、非米ドル決済網の構築と通貨多極化に大きな影響を与えている。中東紛争の激化は原油価格に直接的な影響を及ぼし、2026年3月16日朝には原油価格が1バレルあたり約99.91ドルで取引され、金価格は1オンス5,000ドルを下回った。

ホルムズ海峡の封鎖リスクや米国の金融政策の不確実性も、国際金融市場に緊張をもたらしている。このような状況下で、グローバルサウス諸国は経済協力の強化を模索している。2026年3月26日に開催された「2026年グローバルサウス金融フォーラム」では、30以上の国・地域の政府関係者らが、より包摂的で持続可能な金融協力の強化に向けた連携を図った。

日本政府もグローバルサウスとの連携強化に力を入れており、経済産業省は「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を実施している。令和7年度補正予算では約1,546億円が計上され、2026年3月30日には令和7年度補正事業の公募について事前周知が行われた。

2026年3月16日周辺の市場動向と展望

2026年3月16日周辺の金融市場は、中東情勢の緊迫化と米国の金融政策の不確実性によって大きく動揺した。中東紛争の長期化により、金価格は1オンス5,000ドルを下回る一方で、原油価格は1バレルあたり約99.91ドルに急騰したことが報じられた。

2026年3月17日から18日に開催されたFOMCでは、FRBが政策金利を据え置く見通しであったものの、中東情勢の混乱が不確実性を高めた。

為替市場では、中東情勢を背景とした「有事のドル買い」により米ドル高が進んだ一方で、日本の貿易収支悪化懸念から円安要因も存在し、複雑な様相を呈した。

Reference / エビデンス