東アジア:権威主義体制による経済統制と資本市場の推移(2026年03月16日時点)

2026年3月16日、東アジアの権威主義体制下にある各国では、経済統制のあり方とそれが資本市場に与える影響が引き続き注目されている。中国では金融セクターへの統制強化が進む一方、ベトナムは市場開放政策を推進し、資本市場の活性化を図っている。一方、北朝鮮は厳格な経済統制と国際社会からの孤立が続き、資本市場の発展は限定的だ。各国が異なるアプローチを取る中、それぞれの経済指標や政策発表が市場に与える影響は多岐にわたる。

中国:金融セクターへの統制強化と資本市場の課題

中国では、2026年3月5日から12日にかけて開催された全国人民代表大会(全人代)において、今年の経済成長率目標が4.5~5%に設定された。また、第15次5カ年計画の概要も示され、経済の安定成長と質の高い発展が強調された。しかし、その裏では金融セクターへの統制強化の動きが顕著になっている。国際経験豊富な金融専門家の追放や高額報酬の抑制といった措置が講じられており、これは金融リスクの抑制と党の指導強化を目的としているとみられる。

こうした統制強化は、資本市場に非合理的な市場構造や株価変動といったリスクをもたらす可能性が指摘されている。直近の経済指標を見ると、2026年1~2月の小売売上高は前年同月比2.8%の伸びに留まったものの、輸出額は同21.8%と好調を維持し、鉱工業生産も同6.3%と堅調な出だしを見せている。しかし、市場の不確実性は依然として高く、2026年3月末時点の中国の外貨準備高は2月末から857億ドル減少し、3兆3421億ドルとなる見込みだ。また、3月18日には上海総合指数が0.32%の変動を示すなど、市場は不安定な動きを見せている。

ベトナム:市場開放政策と資本市場の活性化

ベトナムは、市場開放政策を積極的に推進し、資本市場の活性化に注力している。2026年3月1日には改正投資法が施行され、外国投資家に対する市場参入障壁が大幅に削減された。これにより、海外からの資金流入が加速し、資本市場のさらなる発展が期待されている。

SSI証券の海外市場ディレクターは、3月20日に開催される会議で、ベトナムの資本市場が「ブームポイント」段階に突入したとの見解を示す予定だ。実際、外国人投資家の取引は約50%増加し、機関投資家の取引シェアも2023年の8%から約13%に拡大するなど、市場の活況がうかがえる。さらに、FTSE新興国市場への格上げ期待も高まっており、これが実現すれば約15億ドルの受動資本と20億~50億ドルのアクティブ運用資金が流入する可能性が指摘されている。2026年1~3月期の対外投資額は前年同期比2.6倍の6億1990万USDに拡大する見込みであり、ベトナム経済の成長を力強く後押ししている。

北朝鮮:厳格な経済統制と国際社会からの孤立

北朝鮮は、依然として厳格な経済統制を維持し、国際社会からの孤立が続いている。3月27日に発表される予定の2026年の国家予算は、前年比5%以上の大幅な増加が見込まれており、経済と国防の二兎を追う強気な姿勢がうかがえる。しかし、国内では国営工場の生産物資が民間市場へ流出するのを遮断するため、3月22日以降、強力な統制措置が取られる模様だ。

また、3月22日の最高人民会議での人事において、軍需経済を担う「第2経済委員会」の機能の一部が内閣に組み込まれる可能性が指摘されており、統治構造の変革が進むとみられる。国際社会からの制裁も継続しており、日本は北朝鮮への貿易制裁を2027年4月13日まで延長している。こうした厳格な統制と国際社会からの孤立が、北朝鮮における資本市場の発展を極めて限定的なものにしている主な背景となっている。

Reference / エビデンス