東アジア経済圏の最新動向:日韓協力、ASEANデジタル戦略、中国の広域構想
日韓経済協力の深化:経済安全保障とサプライチェーン
2026年3月14日、東京で第10回日韓財務対話が開催され、片山さつき財務大臣とク・ユンチョル副総理兼財政経済部長官が世界・地域経済、経済安全保障、多国間・二国間協力について意見を交換しました。両国は、ウォン安・円安への深刻な懸念を共有し、為替市場への適切な対応について再確認しました。また、重要鉱物サプライチェーンの多様化推進に関する合意が表明されました。
ASEANの2026年経済戦略とデジタル経済枠組み協定(DEFA)の進展
2026年3月に開催予定のASEAN経済大臣会合には、2026年のASEAN経済戦略が提出される予定です。この戦略は、貿易・投資のシームレスな域内統合深化、デジタル市場発展、中小零細企業(MSME)能力強化、グリーン経済移行加速、クリエイティブ経済推進の5つの柱から構成されています。これらは、タイ商務省・貿易交渉局(DTN)が2026年1月28日に報告した高級経済実務者会合(SEOM)で議論されました。
特に、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)は、2026年の完全妥結と署名を目指しています。2025年10月24日のASEAN経済共同体(AEC)理事会の発表によれば、DEFAには越境データフロー、電子決済、個人情報保護、AI・新興技術協力などが含まれる見込みです。
中国の広域経済圏構想の現状と第15次五カ年計画
中国の「一帯一路」構想は、2026年時点においてもその動向が注目されています。「債務の罠」問題やプロジェクトの遅延・中止事例といった課題が指摘される一方で、中国は新たな輸出市場の開拓と資源確保を戦略的狙いとして推進しています。
また、2026年から2030年を対象とする中国の第15次五カ年計画では、AI、新エネルギー、デジタル通貨、データ流通などの分野での国際協力推進が政策方向性として掲げられています。さらに、「グローバルサウス」諸国へのAI能力構築支援も計画されています。
インフラ投資と地政学的リスク:中東情勢の東アジアへの影響
2026年3月3日、国際通貨基金(IMF)は中東情勢に関する声明を発表し、貿易・経済活動の混乱、エネルギー価格高騰、金融市場のボラティリティといった経済的影響について言及しました。2026年3月6日の分析によると、中東情勢は中国の「一帯一路」構想におけるインフラ投資プロジェクト、例えば中央アジア経由のイランへの接続などに政治的リスクをもたらしており、イラン政権の安定性への懸念も指摘されています。