2026年度税制改正:資産課税と相続税制の主要見直し点と専門家の対応

2026年度税制改正法案の動向

2026年度税制改正関連法案は、2026年2月20日に閣議決定され、国会に提出されました。この法案は、資産課税および相続税制における重要な見直しを含んでいます。

資産課税における主要な改正点:贈与税と不動産評価の見直し

資産課税に関連する見直しとして、まず教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が挙げられます。この措置は、適用期限である2026年3月31日をもって延長されずに終了する方針が示されています。

また、貸付用不動産の評価方法が見直される方針です。被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築した一定の貸付用不動産については、原則として課税時期における通常の取引価額に相当する金額、または取得価額を基に地価変動を考慮した価額の80%で評価される方針が示されています。これにより、従来の評価方法を用いた節税策に影響が出ると見られます。

さらに、不動産小口化商品についても評価方法が厳格化される方針です。取得時期にかかわらず、一律で「通常の取引価額に相当する金額」によって評価されることが示されており、現物の不動産よりも厳しい評価基準が適用されるとされています。

相続税制の調整:事業承継と超高所得者への課税強化

相続税制においては、個人の事業用資産にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度である事業承継税制に関して、「個人事業承継計画」の提出期限が令和10年9月30日まで延長される方針が示されています。

また、税負担の公平性を確保する観点から、超高所得者に対する負担の適正化措置が見直される方針です。これは、特定の基準所得金額の課税の特例において、対象となる基準所得金額の水準が引き下げられ、あわせて税率が引き上げられる見直しが示されており、令和9年分以後の所得税から適用される方向にあるとされています。

資産管理専門家への示唆:制度変更への対応

これらの税制改正の動向は、資産管理専門家にとって、顧客の資産承継計画やポートフォリオ戦略を見直す上で重要な意味を持ちます。短期的な節税スキームに依存するのではなく、長期的な視点に立った資産承継計画への移行がより一層求められるようになるでしょう。また、新たな不動産評価方法など、改正される制度内容の正確な理解と、それに即した対応策の構築が不可欠となります。

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Reference / エビデンス