2026年3月 日本のエネルギー政策最新動向:原子力再稼働と市場影響、国際安全保障の視点

導入:緊迫する国際情勢と国内エネルギー政策の焦点

2026年3月12日、衆議院予算委員会集中審議において、高市首相は中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格高騰対策について、追加の予算措置は考慮せず、既存の燃料補助向け基金(残高2800億円)を活用する方針を示しました。同日、井野経済産業副大臣は原子力エネルギーサミット2026に出席し、国際的な原子力協力における日本の立場を提示しました。また、2026年3月11日には赤澤経済産業大臣がG7エネルギー大臣会合に出席しており、中東情勢の緊迫化に対応した市場安定化に向けた国際協調がG7エネルギー相会合で確認され、国際エネルギー機関(IEA)による過去最大規模の石油備蓄協調放出にも日本が支持を表明しています。

原子力発電再稼働の現状と電力需給への影響

東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機は2026年1月21日に再稼働し、2月には発電および送電を開始しました。これに伴い、東京電力パワーグリッド管内では2026年3月1日に再生可能エネルギーの出力制御が初めて実施され、その量は184万kWに達しました。この出力制御は、柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働が首都圏エリアの電力需給バランスに大きな影響を与えたものとみられています。

他の主要な原子力発電所の再稼働状況としては、中国電力島根原子力発電所3号機の審査が2025年度中の説明完了を目指し順調に進捗しています。北海道電力泊原子力発電所3号機は2025年7月に設置変更許可を受けました。一方、中部電力浜岡原子力発電所3・4号機は、2026年1月に公表された中部電力の不適切事案により新規制基準適合性審査が中断されています。

エネルギー価格変動と政策的対応

2025-26年冬の電力市場価格は、1月下旬を中心に全国的に高水準で推移しました。日本気象協会が2026年3月12日に公開した記事によると、この価格高騰の背景には、寒波による暖房需要の増加、再生可能エネルギー出力の変動、燃料価格の上昇といった複数の要因が複合的に影響しています。政府は、2026年1月から3月使用分の電気・ガス代に対する支援を実施しました。経済産業省(電力・ガス取引監視等委員会)は2026年3月、中東情勢を受けた原油・LNG価格高騰リスクと、市場連動型プランのデメリットを需要家へ周知するよう、小売電気事業者に対し異例の通達を行いました。

エネルギーミックスの課題と将来展望

2025年2月に改定された第7次エネルギー基本計画では、原子力が「最大限活用」と位置づけられました。これは、脱炭素化とエネルギー安全保障の両立を目指す観点から、原子力の役割が見直されたことを示しています。日本政府は、電源構成に占める原子力の割合を現在の約9%から、2040年には20%に倍増させる目標を掲げています。

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Reference / エビデンス