ホルムズ海峡緊迫:商船攻撃激化と安保理決議採択、国際法・経済への影響

ホルムズ海峡で商船攻撃が激化、国連安保理が非難決議採択

2026年3月11日、ホルムズ海峡およびその周辺海域で複数の商船が攻撃を受け、情勢が急速に緊迫化している。この日、商船Mayuree Naree、ONE Majesty、Star Gwynethなどが攻撃対象となり、特に1隻では船員3名が行方不明となり、乗組員が炎上する船を放棄する事態に発展した。ペルシャ湾内でも無人水上艇によるとみられる攻撃が2件確認されている。UKMTOの勧告もオマーン北部での別の飛翔体攻撃を確認しており、この地域で運航する船舶が直接的な動的リスクに直面し続けていることが示されている。

事態の深刻化を受け、国連安全保障理事会は同日、決議2817(2026)を採択し、イランによる近隣湾岸諸国への「目に余る攻撃」やホルムズ海峡およびバブ・エル・マンデブ海峡での国際航行を妨害する目的の行動や脅威を非難した。一連の攻撃は、2月28日に米国とイスラエルがイランに対して軍事行動を開始して以来続く、地域情勢の地政学的混乱を背景としている。

原油価格高騰と海上交通の混乱:世界経済への影響

ホルムズ海峡の緊迫した情勢は、世界経済に広範な影響を及ぼし始めている。原油市場では、3月8日にブレント原油価格が4年ぶりに1バレル100ドルを超え、一時126ドルに達する高騰を見せた。これは、主要な石油輸送ルートであるホルムズ海峡の供給不安が市場に反映されたものとみられる。

海上交通は著しく混乱しており、3月1日以降、海峡両側で停泊する船舶のクラスターが増加し、多くの船舶が安全上の懸念から通航を控えている。紛争発生前は1日あたり約138隻が通航していたが、3月7日から9日には1日あたり1隻、3月10日には7隻(出航は2隻のみ)にまで減少した。また、オマーンのサラーラ港も無人航空機システムによる攻撃を受け、複数の燃料貯蔵タンクが損傷するなど、周辺地域のインフラにも被害が及んでいる。

航行の自由と国際法の原則:高まる緊張と代替ルートの模索

ホルムズ海峡での連続する攻撃は、国際海洋法における「航行の自由」の原則に深刻な影響を及ぼしている。3月9日には、ドナルド・トランプ米大統領がホルムズ海峡の支配権を掌握する意向を表明し、国際的な主要国の介入可能性を示唆した。

このような状況を受け、サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、紅海およびアラビア海へのパイプライン経由での石油輸送を強化することで、ホルムズ海峡を迂回する動きを加速させている。しかしながら、これらの代替ルートの輸送能力は、海峡を経由する通常の輸送量には及ばないことが指摘されている。海峡の閉鎖は、1970年代のエネルギー危機以来最大のエネルギー供給混乱を招くとされており、国際的なエネルギー安全保障およびサプライチェーンの脆弱性が浮き彫りになっている。

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Reference / エビデンス

  • 2026 Strait of Hormuz crisis - Wikipedia 2026年2月28日以降、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に続き、ホルムズ海峡では地政学的および経済的な混乱が続いている。2026年3月12日時点で、イランは商船に対して21件の攻撃を行ったことが確認されている。3月8日には、ブレント原油価格が4年ぶりに1バレル100ドルを超え、ピーク時には126ドルに達した。3月9日、ドナルド・トランプ米大統領はホルムズ海峡の支配権を掌握する意向を表明した。海峡の閉鎖は、1970年代のエネルギー危機以来最大のエネルギー供給混乱とされている。サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、海峡を迂回するため、それぞれ紅海とアラビア海へのパイプライン経由での石油輸送を強化しているが、その容量は海峡経由の量には及ばない。
  • A Bad Day for Merchant Mariners in the Strait of Hormuz | March 11, 2026 - YouTube 2026年3月11日、ホルムズ海峡で商船3隻が攻撃され、うち1隻では船員3名が行方不明となり、乗組員が燃える船を放棄する事態となった。ペルシャ湾内でも2件の攻撃があり、これらは無人水上艇によるものとみられる。オマーンのサラーラ港も攻撃され、複数の燃料貯蔵タンクが無人航空機システムによって損傷した。海峡の海上交通は大幅に減少し、3月1日から船舶の滞留が増加している。3月7日から9日には1日あたり1隻、3月10日には7隻の通航にまで減少した。
  • March 11, 2026: Iran War Maritime Intelligence Daily - Windward 2026年3月11日、商船Mayuree Naree、ONE Majesty、Star Gwynethを含む複数の商船がホルムズ海峡およびその周辺海域で攻撃されたと報じられた。UKMTOの勧告もオマーン北部での別の飛翔体攻撃を確認しており、この地域で運航する船舶が直接的な動的リスクに直面し続けていることを示している。3月10日のホルムズ海峡の通航活動は大幅に抑制され、出航が2隻のみで入港は確認されなかった。
  • China, Russian Federation Veto Security Council Draft Resolution by Gulf States to Safeguard International Shipping through Strait of Hormuz | UN Meetings Coverage and Press Releases 2026年3月11日、国連安全保障理事会は決議2817(2026)を採択し、イランによる近隣湾岸諸国への「目に余る攻撃」およびホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡での国際航行を妨害する目的の行動や脅威を非難した。この決議は、2月28日にイスラエルと米国がイランに対して開始した軍事行動後の地域情勢の激化を背景としている。
  • Iran War Shipping Update—March 30, 2026 | UANI 2026年3月1日以降、ホルムズ海峡の両側で停泊する船舶のクラスターが増加しており、多くの船舶が安全上の懸念から通航を控えている。紛争発生前は1日あたり約138隻の船舶がホルムズ海峡を通過していたが、3月28日には11隻の船舶が通過したと報告されている。