日本政府、AI・半導体とGXを軸に産業政策を強化:成長戦略と法改正の最新動向

日本政府、先端技術と産業政策の持続可能性へ新たな一手

日本政府は、2026年3月10日に開催された「日本成長戦略会議」において、AIや半導体などの先端技術分野への大規模な投資戦略を発表しました。これに先立つ3月6日には、「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されています。これらの動きは、日本の先端技術支援策と産業政策の持続可能性を強化するという政府の明確な意思を示すものと見られます。

AI・半導体分野への重点投資と成長目標

2026年3月10日に開催された日本成長戦略会議では、AI、半導体、宇宙、造船など17の戦略分野から優先的に支援する61の製品・技術が選定されました。具体的な目標として、AIロボットについては2040年までに世界シェア3割(20兆円市場)の獲得を目指し、国内生産半導体の売上高を40兆円まで増やす方針が掲げられています。政府は、2025年12月23日に閣議決定された「人工知能基本計画」に基づき、AI関連施策に当面1兆円超を投資する方針を示しており、大胆な投資促進税制の創設や研究開発税制の深掘りを通じて、官民一体でのAI投資を推進するとしています。

産業競争力強化法改正案による国内投資促進とサプライチェーン強靱化

2026年3月6日、「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第221回国会に提出される予定です。この法案は、国際経済事情の変化、物価上昇、人口減少といった経済社会情勢に対応し、国内投資の促進による事業の高付加価値化を目指します。また、海外需要開拓や安定的な原材料確保を通じた供給網の強靱化、産業用地の整備、担い手の確保を一体的に支援することを目的としています。特に、原則全業種を対象とした「大胆な投資促進税制」が整備され、投資利益率15%以上、投資規模35億円以上(中小企業等:5億円以上)の要件を満たす「特定生産性向上設備等」に対し、即時償却または税額控除7%を措置することが盛り込まれています。

GX推進法と排出量取引制度による持続可能な産業構造への転換

日本政府は、成長志向型カーボンプライシング構想の一環として、改正GX推進法に基づく排出量取引制度(GX-ETS)の導入を進めています。この制度は、二酸化炭素(CO2)直接排出量の年度平均が政令で定める基準量(10万トンと想定)を超える事業者(国内約300~400社)を主な対象とし、排出量取引制度への参加を義務付ける方針です。対象企業には、毎年度のCO2排出量の算定・報告、報告した排出量と同量の排出枠の償却、および中長期的な排出削減目標と具体的な取り組みを記載した移行計画の提出が求められます。政府は、「GX実現に向けた基本方針」のもと、「GX経済移行債」の創設を通じて10年間で20兆円規模の先行投資支援を実行し、官民で150兆円超のGX投資を実現することで、脱炭素と経済成長の両立を目指すとしています。

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Reference / エビデンス