2026年度税制改正案 国会審議の最新動向:資産・相続税制の実務影響を徹底解説
2026年度税制改正法案、国会審議の焦点:資産・相続税制の動向
2026年3月9日現在、日本政府が閣議決定した「令和8年度税制改正の大綱」に基づく税制改正法案が国会で審議されています。本大綱は、2025年12月26日に財務省によって閣議決定されており、物価高騰への対応、経済の強化、税負担の公平性確保を主要な政策目標としています。特に資産課税および相続税制に関する改正は、その実務上の影響から資産管理専門家の間で大きな注目を集めています。
貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法見直しとその影響
2026年度税制改正大綱では、貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法が見直される方針が示されています。具体的には、相続開始や贈与の5年以内に取得または新築された貸付用不動産について、原則として通常の取引価額に相当する金額で評価されることとなります。この通常の取引価額に相当する金額は、取得価額をもとに時価変動を考慮した価額の80%とされています。また、不動産小口化商品については、取得時期にかかわらず通常の取引価額で評価される方針です。これらの変更は、これまでの相続税対策における貸付用不動産を用いた節税スキームに大きな影響を与えるものであり、今後の資産管理戦略において新たな考慮事項が生じることになります。
教育資金一括贈与非課税措置の終了と事業承継税制の期限延長
2025年12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」において、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の適用期限を延長しない方針が示されました。これにより、本措置は2026年3月31日をもって適用期限が終了する見込みです。一方で、事業承継税制に関しては、期限の延長が盛り込まれています。個人版事業承継税制における「個人事業承継計画」の提出期限は2028年9月30日まで、法人版事業承継税制における「特例承継計画」の提出期限は2027年9月30日までそれぞれ延長される方針です。これらの改正は、世代間の資産移転や事業承継計画に影響を与えるため、専門家は顧客への適切な助言が求められます。
超富裕層向け金融所得課税の強化:ミニマムタックス制度の改正
2025年12月19日に公表され、同月26日に閣議決定された2026年度税制改正大綱では、超富裕層を対象とした金融所得課税の強化、特に「ミニマムタックス制度」の見直しが盛り込まれています。2027年分以後の所得税において、追加の税負担を計算する際の特別控除額が、これまでの3.3億円から1.65億円に引き下げられる方針です。また、税率も22.5%から30%に引き上げられることとなります。この改正により、株式譲渡所得など分離課税所得の割合が高い高額所得者は、約3.3億円以上の所得から追加課税の対象となり得るとされており、その影響額は大幅に拡大すると見込まれています。復興税・住民税を含めた株式譲渡所得に対する最高税率は35.63%となる可能性も指摘されており、資産運用戦略に新たな検討が不可欠です。
NISA制度の拡充と次世代の資産形成支援
2026年度税制改正大綱には、次世代の資産形成支援策としてNISA制度の拡充が盛り込まれています。具体的には、0歳から17歳までの未成年者もつみたて投資枠の口座開設が可能となる方針が示されました。この変更は、より若年層からの長期的な資産形成を支援することを目的としており、資産管理専門家が顧客に資産形成を提案する上で、新たな選択肢を提供することになります。
[ Advertisement ]Reference / エビデンス
- 日本政府通過稅制修正案,聚焦提高所得免稅門檻以對抗通膨、增加國防財源及落實公平稅制 日本政府の税制修正関連法案は、2026年3月31日に参議院本会議で可決された。これにより、2026年4月1日以降、所得税の非課税枠の引き上げなど、複数の制度が変更される予定である。
- 令和8年度税制改正の大綱の概要 - 財務省 財務省が2025年12月26日に閣議決定した「令和8年度税制改正の大綱」には、物価高騰への対応、経済の強化、税負担の公平性確保を目的とした税制措置が盛り込まれている。資産課税分野では、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の適用期限を延長しないこと、新築住宅に係る固定資産税の特例措置の延長と見直し、NISAの拡充などが含まれる。
- 【2026年度税制改正】資産課税編 - G.S.ブレインズ税理士法人 2026年度税制改正では、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度が2026年3月31日で廃止される。また、個人版事業承継税制の「個人事業承継計画」提出期限が2028年9月30日まで、法人版事業承継税制の「特例承継計画」提出期限が2027年9月30日まで延長される。貸付用不動産の評価方法も適正化され、課税時期前5年以内に取得・新築した貸付用不動産は、通常の取引価額に相当する金額で評価される。不動産小口化商品も取得時期にかかわらず通常の取引価額で評価される方針である。
- 【2026年度税制改正大綱】主な改正内容をチェック⑤ | ヤマダ会計グループ 2026年度税制改正大綱では、貸付用不動産の評価方法が見直され、相続開始や贈与前5年以内に取得・新築した貸付用不動産は、原則として通常の取引価額に相当する金額(取得価額をもとに時価変動を考慮した価額の80%)で評価される。不動産小口化商品も取得時期にかかわらず通常の取引価額で評価される方針が示されている。
- 2026年度税制改正大綱 資産税関連の主な改正点 - PwC 2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱では、超富裕層に対する追加課税(ミニマム課税)が見直され、追加税負担の計算基準となる特別控除額が3.3億円から1.65億円に引き下げられ、税率が22.5%から30%に引き上げられる。これにより、株式譲渡所得が3.5億円程度から追加課税の対象となり、影響額が大幅に拡大すると見込まれる。また、貸付用不動産の評価方法も変更され、課税時期前5年以内に取得した貸付用不動産は通常の取引価格で評価される。
- 速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説 - 税理士法人山田&パートナーズ 2026年度税制改正では、貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法が見直され、事業承継税制の特例承継計画等の提出期限が延長される。
- Revision of personal income tax [Explanation of the outline of the FY2026 tax reform] 2026年度税制改正では、次世代の資産形成支援としてNISA制度が拡充され、0歳から17歳までの未成年者もつみたて投資枠の口座開設が可能となる。また、防衛力強化のための財源確保として、2027年1月より所得税額の1%を徴収する「防衛特別所得税」が創設されるが、復興特別所得税の税率引き下げと相殺されるため、実質的な税負担は変わらない見込みである。
- 超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に | 大和総研 2025年12月19日に公表された与党税制改正大綱には、富裕層に対する追加課税(ミニマムタックス)の改正が盛り込まれており、これにより株式譲渡所得に対する最高税率は復興税・住民税込みで35.63%となる可能性がある。ミニマムタックスの課税対象となりうる所得の下限は約9.9億円から約3.3億円に引き下げられる。
- 【審理部】2026年度税制改正大綱 ~まずは概要把握を目的に~[あいわ税理士法人 News Letter] | ZEIKEN PRESS 2025年12月19日に政府与党が公表し、同月26日に閣議決定された2026年度税制改正大綱では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置が見直され、2027年分以後の所得税について、追加の税負担を計算する基礎となる特別控除額が1億6,500万円に引き下げられ、税率が30%に引き上げられる。
Vantage Politics