グローバルサウス貿易の最新局面:地域経済共同体の進展と日本の政策動向(2026年3月9日)

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展と日本企業の関心

2026年3月9日、UNIDO東京事務所はJETRO、JICA、UNDPと共催で、「AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)合同セミナー アフリカ・日本ビジネス対話:AfCFTAを通じた日本企業のアフリカ市場の可能性」をオンラインおよび対面で開催しました。本セミナーでは、AfCFTAの最新動向に加え、日本企業およびアフリカ企業による実践事例を通じて、アフリカ市場におけるビジネス機会と参入のポイントが共有されました。

AfCFTAは人口約15億人、GDP規模3兆ドルの巨大経済圏を形成し、域内貿易の拡大を通じてアフリカの産業育成と経済発展に寄与する可能性を秘めています。国連貿易開発会議(UNCTAD)が2025年2月に発表した「2024年アフリカ経済開発報告書」では、AfCFTAの完全な施行により、3兆4,000億ドルの市場が創出される可能性が指摘されています。一方で、政治的課題、多額の債務、不均衡な貿易、金融へのアクセス不足など、多くの課題も存在するとされています。

ASEANの経済戦略と地域統合の深化

2026年のASEAN議長国であるフィリピンのボホール島で1月19日から25日に開催された高級経済実務者会合(SEOM)では、ASEANを世界第4位の経済圏とすることを目標に5つの戦略が策定されました。これらの戦略には、貿易・投資のシームレスな域内統合深化、デジタル市場の発展、中小零細企業(MSME)の能力強化、グリーン経済への移行加速、クリエイティブ経済の推進が含まれます。特に、食品、エネルギー、重要鉱物、半導体といった潜在産業のサプライチェーン統合や、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)を通じたデジタル市場の発展に重点が置かれています。

ASEANは、ASEAN-カナダFTAおよびASEAN-インド物品貿易協定(AITIGA)改定の交渉を年内に完了させることを目指しています。また、ベトナム首相は、2026年から2030年および2031年から2035年の期間におけるベトナムでのASEAN経済共同体戦略計画の実施に関する行動計画を承認する決定を発令しており、ASEAN経済共同体戦略計画の戦略的優先事項と2045年までのビジョン実現に向けた取り組みが進められています。

BRICSの拡大とグローバル貿易における影響力

2026年現在、BRICSは11の正式加盟国(インドネシアは2025年1月に正式加盟)と10の公式パートナー国で構成されています。これにより、BRICSは世界人口の約49.5%、世界GDPの約40%、国際貿易の約26%を占める規模に拡大しています。2026年にはインドが議長国を務めます。

BRICSの拡大は、グローバルサウスにおける貿易ルート、開発融資へのアクセス、通貨決済の選択に影響を与えつつあります。しかし、2023年時点ではBRICS初期メンバー5カ国間の域内貿易が世界全体の貿易に占める割合はわずか3.0%にとどまっており、域内貿易シェアの低さが課題として指摘されています。

日本のグローバルサウス連携強化に向けた政策的取り組み

経済産業省は、2026年1月22日に令和7年度補正予算「グローバルサウス未来志向型共創等事業(小規模実証・FS事業)」の執行団体公募を開始し、2026年2月20日にはTOPPAN株式会社が採択予定先となりました。本事業は、グローバルサウス諸国における社会課題の解決(GX/DXなど)と、日本企業の海外展開および新市場開拓を後押しすることを目的としています。これは、日本企業と現地企業がGX/DX等による社会課題解決やサプライチェーン強靱化、経済安全保障の確保に資する実証事業等に対して補助金による支援を行うものです。

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Reference / エビデンス