緊迫する中東情勢とグローバルサウスの自律外交:2026年3月最新動向

中東情勢の緊迫化と原油市場への影響:グローバルサウスの対応

2026年3月7日、米国大統領はイランへの攻撃を激化させると表明し、これに対しイラン大統領は「無条件降伏」を拒否しました。イランはイスラエルに加え、カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどの周辺国にもミサイル・ドローン攻撃を開始。3月8日には軍事作戦と報復攻撃が続いていることが報じられ、カタール政府は戦争が続けば湾岸のエネルギー輸出が停止すると警告しました。

この軍事衝突の激化により、ホルムズ海峡は事実上封鎖され、世界の原油価格は急騰しました。3月7日には国際原油価格が1バレル90ドルを超え、3月9日にはブレント原油価格が2022年以来初めて1バレル100ドルを突破しました。この背景には、中東主要産油国の減産やホルムズ海峡の混雑、紛争拡大の警告があります。新興国株式市場も、世界的なインフレや景気減速懸念から大きく下落しました。3月9日にはG7財務相がイラン紛争のエネルギー市場への影響を協議する緊急会合を開催し、状況を監視し必要に応じて戦略石油備蓄の放出を含む措置を講じる用意があることで合意しました。米国はホルムズ海峡の船舶航行再開のため200億ドルの再保険プログラムを開始しています。

このような状況下で、グローバルサウス諸国の政治的自律性を示す動きとして、インドは7年間停止していたイランからの原油・ガス輸入を再開しました。月次石油輸入コストが50億ドル増加する中で行われたこの決定は、「西側の連帯」よりも「自国経済の生存」を優先したものであり、グローバルサウスの外交方針における構造的変化を示唆しています。

イラン国内の政治変動と地域秩序への影響

2026年3月9日、イラン国営テレビは、米・イスラエル攻撃により死亡したとされる最高指導者ハメネイ師の後継者として、専門家会議がハメネイ師の次男であるモジタバ師を選出したと報じました。モジタバ師は革命防衛隊や民兵組織と強い結びつきを持つとされており、この後継者選出はイランの政治的安定性、ひいては中東地域の地政学的バランスに影響を与える可能性があります。

BRICSの役割拡大と多極化する国際秩序

2026年3月に開催されたNXTサミットでは、BRICSが新たな多極的世界秩序を形成する上で、グローバルサウス諸国にとって非常に有望なプラットフォームであると議論されました。この議論では、主権平等、柔軟性、実用主義、覇権放棄、コンセンサス意思決定がBRICSの基盤として強調されました。

2026年のBRICS議長国であるインドは、「レジリエンス、イノベーション、協力、持続可能性の構築」をテーマに掲げています。インドは、デジタル公共インフラ、フィンテック、AI、新興技術の推進、BRICS諸国間の政治・安全保障・経済関係の強化、気候変動対策、再生可能エネルギー、公正な開発の促進を目指しており、主要新興国が既存の国際秩序とは異なる独自の外交路線を追求している現状を示しています。

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Reference / エビデンス

  • 2026年3月9日の世界経済ニュースのハイライト 2026年3月9日、G7財務相はイラン紛争のエネルギー市場への影響を協議する緊急会合を開催し、状況を監視し必要に応じて戦略石油備蓄の放出を含む措置を講じる用意があることで合意した。また、中東主要産油国の減産やホルムズ海峡の混雑、紛争拡大の警告を背景に、世界の原油価格が2022年以来初めて1バレル100ドルを突破した。米国はホルムズ海峡の船舶航行再開のため200億ドルの再保険プログラムを開始した。
  • Global National: March 7, 2026 | Trump to intensify attacks, Iran rejects "unconditional surrender" - YouTube 2026年3月7日、トランプ米大統領はイランへの攻撃を激化させると表明し、イラン大統領は「無条件降伏」を拒否した。イランはイスラエルだけでなく、カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどの周辺国にもミサイル・ドローン攻撃を開始した。
  • ニュース NHKきょうのニュース 2026年3月8日 - Apple Podcasts 2026年3月8日、最新のイラン情勢として軍事作戦と報復攻撃が続いていることが報じられた。
  • 2026年3月9日(月)ニュース - YouTube 2026年3月9日、イラン国営テレビは、米・イスラエル攻撃により死亡したとされる最高指導者ハメネイ師の後継者として、専門家会議がハメネイ師の次男であるモジタバ師を選出したと報じた。モジタバ師は革命防衛隊や民兵組織と強い結びつきを持つとされる。
  • 2026年3月7日の注目すべきニュース - The HEADLINE 2026年3月7日、カタール政府は戦争が続けば湾岸のエネルギー輸出が停止すると警告し、国際原油価格は1バレル90ドルを超えた。トランプ米大統領はイランとの合意は「無条件降伏」のみと表明し、中東からの米国人退避支援を継続している。
  • 2026年3月の世界のニュース(1〜10位)|ちもちも - note 2026年3月はイラン戦争の激化とホルムズ海峡危機が世界経済に大きな影響を与え、原油価格は急騰し、G7外相会合でもこの問題が議論された。
  • BRICS 2026: Global South Rising, Building for Resilience | Connecting The Dots - YouTube 2026年のBRICS議長国であるインドは、「レジリエンス、イノベーション、協力、持続可能性の構築」をテーマに掲げ、デジタル公共インフラ、フィンテック、AI、新興技術の推進、BRICS諸国間の政治・安全保障・経済関係の強化、気候変動対策、再生可能エネルギー、公正な開発の促進を目指している。
  • NXT Summit 2026: What The Future Holds For BRICS In A Changing Global Order | NewsX NXTサミット2026では、BRICSが新たな多極的世界秩序を形成する上で、主権平等、柔軟性、実用主義、覇権放棄、コンセンサス意思決定を基盤とする、グローバルサウス諸国にとって非常に有望なプラットフォームであると議論された。
  • 2026年4月7日(火) 世界メディア一面トップ構造比較レポート|チエロ|AI時代の考え方 - note インドは、月次石油輸入コストが50億ドル増加する中で、7年間停止していたイランからの原油・ガス輸入を再開した。これは「西側の連帯」よりも「自国経済の生存」を優先したものであり、グローバルサウスの離反という構造的変化を示している。
  • 2026年3月の新興国株式市場 - ピクテ・ジャパン 2026年3月の新興国株式市場は、米国とイスラエルから攻撃されたイランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことを受けて原油価格が急騰し、世界的なインフレや景気減速懸念から大きく下落した。