グローバルサウスの多角外交と自律性強化:2026年3月上旬の国際動向
国際女性デーに際して強調される南南協力の役割
2026年3月8日の国際女性デーにおいて、「南南協力および三角協力によるすべての女性と女児のための権利、正義、行動」というテーマが掲げられました。このテーマは、グローバルサウス諸国間の連帯と相互支援の精神を反映しており、女性と女児の権利推進における南南協力の重要性が強調されました。多角外交の一環として、南南協力は開発途上国間の連携を深め、共通の課題解決に向けた協力体制を強化する上で重要な意義を持つものと見られています。
BRICSの拡大と協力強化:新世代の育成
2026年3月5日から6日にニューデリーでは「BRICS国際学校:新世代」が開催されました。これは、2026年1月1日にBRICS議長国に就任したインドが、同年の第18回BRICS首脳会議の主催を控える中で行われたものです。インドは議長国として、「回復力、イノベーション、協力、持続可能性の構築」を主要な柱として掲げています。また、2月9日から10日には、拡大されたBRICSメンバーシップの下で初のBRICSシェルパ・スーシェルパ会議がニューデリーで開催され、公衆衛生、災害リスク削減、金融調整といった分野での実質的な協力が議論されました。これらの動きは、BRICSがグローバルサウス内の調整プラットフォームとしての役割を強化していることを示しています。
中国の五カ年計画とグローバルサウスとの経済連携
2026年3月に開催される中国の「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)は、中国の第15次五カ年計画(2026-2030年)を正式に開始・採択する重要なイベントとして、グローバルサウスにとって戦略的な焦点となっています。この計画は、イノベーションとテクノロジーに基づく「新しい質の高い生産力」への転換を重視しており、グローバルサウス諸国との経済統合、技術革新、貿易パートナーシップを強化することを目指しています。これにより、中国は開発途上国との連携を深化させ、国際的な経済協力において新たな枠組みを構築する意向を示しています。
グローバルサウスの多角外交と政治的自律性の展望
2026年3月上旬に確認された複数の動向は、グローバルサウスが国際舞台において多角的な外交戦略を展開し、政治的および経済的自律性を強化している現状を示しています。国際女性デーにおける南南協力の強調、インド主導のBRICSにおける協力深化、そして中国の五カ年計画を通じた経済連携の強化は、この傾向を裏付けるものです。
また、非同盟運動(NAM)も、その継続的な役割を通じてグローバルサウスの利益を擁護しています。NAMは121カ国が加盟する、国連に次ぐ世界最大の国家グループであり、主要な勢力圏に同盟しない国々の利益を推進することを目的としています。ウガンダが2024年から2027年までの議長国を務めるNAMは、国連安全保障理事会の改革を提唱し、非同盟諸国の代表性と権限を強化することを目指しており、国際秩序の多極化におけるグローバルサウスの役割を象徴しています。
[ Advertisement ]Reference / エビデンス
- G77 and China Expert meeting (12 March 2026) - Indico - the United Nations 2026年3月12日にG77と中国の専門家会議が開催される予定です。
- G77 and China Expert meeting (12 March 2026) · Indico.UN 2026年3月12日にG77と中国の専門家会議が開催される予定です。
- G77 and China Expert meeting (12 March 2026) · Indico.UN - the United Nations 2026年3月12日にG77と中国の専門家会議が開催される予定です。
- 18th BRICS summit - Wikipedia インドは2026年1月1日にBRICS議長国に就任し、2026年に第18回BRICS首脳会議を主催する予定です。
- 1 G-77 and China Statement during the 66th Session of Working Group B, 9-19 March 2026, delivered by H.E. Damos Dumoli Agusman 2026年3月10日、インドネシアのダモス・ドゥモリ・アグスマン大使がG77と中国を代表して、第66回作業部会Bで声明を発表しました。この声明は、公平な地理的配分、ジェンダーバランス、多言語主義、そして開発途上国への能力構築の重要性を強調しています。
- brics 2026 インドは2026年のBRICS議長国として、「回復力、イノベーション、協力、持続可能性の構築」を主要な柱としています。
- Over 90 countries pledge to defend human rights multilateralism at the UN | ISHR 2026年3月2日、90カ国以上の国々が国連人権理事会で共同宣言を発表し、国際紛争の激化と国際法および人権への尊重の低下の中で、多国間主義を擁護することの重要性を強調しました。この宣言には、ブラジル、インド、南アフリカ、エジプトなど、多くのグローバルサウス諸国が署名しています。
- Events 2026年3月5日から6日にニューデリーで「BRICS国際学校:新世代」が開催されました。
- Mapping the Future: The 2026 Two Sessions and China's Vision for the Global South 2026年3月に開催される中国の「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)は、中国の第15次五カ年計画(2026-2030年)を正式に開始・採択する重要なイベントであり、グローバルサウスにとって戦略的な焦点とされています。この計画は、イノベーションとテクノロジーに基づく「新しい質の高い生産力」への転換に焦点を当て、グローバルサウス諸国との経済統合、技術革新、貿易パートナーシップを強化することを目指しています。
- From Marrakech to Belém: High‑Level Global South Dialogue Amplifies Southern Leadership in Shaping the Climate Agenda 2026年3月8日の国際女性デーには、「南南協力および三角協力によるすべての女性と女児のための権利、正義、行動」というテーマが掲げられました。
- WTO conference fails to deliver: what comes next? - European Policy Centre (EPC) 2026年3月26日から29日に開催された第14回WTO閣僚会議では、最終宣言の採択や主要な成果の達成に至らず、多国間貿易システムの将来に関する深い意見の相違が露呈しました。特に、デジタル貿易に関する合意の失敗は大きな後退であり、インドをはじめとする開発途上国は、非差別原則やコンセンサスベースのシステム、そして開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の維持を主張しました。
- World Trade Organization 14th Ministerial Conference Outcomes: Small wins, progress on reform, and digital trade as deal-breaker | International Institute for Sustainable Development 2026年3月26日から29日に開催された第14回WTO閣僚会議では、デジタル貿易政策に関する意見の相違が主要な合意を阻害しました。開発途上国は、電子商取引に関するモラトリアムの延長に反対し、関税を課す権利を保持し、新興のデジタルセクターを保護することを主張しました。
- Global South Watch | March 2026 - India's World Magazine 2026年2月9日から10日にニューデリーで、拡大されたBRICSメンバーシップの下で初のBRICSシェルパ・スーシェルパ会議が開催され、公衆衛生、災害リスク削減、金融調整における実質的な協力に焦点が当てられました。これは、BRICSがグローバルサウス内の調整プラットフォームとしての役割を強化していることを示しています。
- Non-Aligned Movement condemns U.S. attack on Venezuela: Ugandan gov't - Xinhua 非同盟運動(NAM)は121カ国が加盟するフォーラムであり、主要な勢力圏に正式に同盟していない国々の利益を推進することを目的としています。ウガンダが2024年から2027年までの議長国を務めています。
- Global South eyes vast opportunities in green finance cooperation - People's Daily Online 2026年3月25日から26日に北京で開催された「グローバルサウス金融家フォーラム」では、気候変動対策と持続可能な開発を推進するためのグローバルサウス諸国間のグリーン金融協力の深化が強調されました。
- Non-Aligned Movement - Wikipedia 非同盟運動(NAM)は、国連に次ぐ世界最大の国家グループであり、冷戦期に開発途上国の利益を推進するために設立されました。国連安全保障理事会の改革を提唱し、非同盟諸国の代表性と権限を強化することを目指しています。
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