北米の防衛負担再編:米国の戦略変化と同盟の再定義

米国の国家防衛戦略と北米同盟への影響

2026年1月に発表された米国の国家防衛戦略(NDS)は、米国本土防衛とインド太平洋地域への注力を優先する方針を示している。同時に、他の地域の同盟国・パートナー国に対しては、米国の限定的な支援を受けつつ、自らの防衛に対する主たる責任を担うことを求めている。NDSは、過去の政策が同盟国を「依存国」にしたと批判しており、同盟ネットワークにおける負担分担の強化を強調する。この戦略は、北米における二国間同盟、特にカナダとの関係に影響を与える可能性がある。

カナダの防衛費目標達成表明と自国産業強化戦略

カナダのマーク・カーニー首相は2025年6月18日、同国が2026年3月までにNATOのGDP比2%の軍事支出目標を達成すると発表した。この発表は、長年にわたる米国や他のNATO同盟国からの圧力に対するカナダの対応として注目される。また、カナダは2026年2月17日、初の防衛産業戦略を発表した。この戦略は、国内製造業の強化と対米依存度の低減を目指すものであり、カナダの軍需産業サプライヤーや資材を優先し、イノベーションと商業化への投資を推進する方針が示されている。これらの動きは、北米における防衛協力のあり方を再定義する可能性を秘めている。

NATO加盟国への防衛負担増強圧力

ドナルド・トランプ米大統領は2026年3月3日、スペインが米軍によるイラン攻撃に関連した基地使用を拒否したこと、およびNATOの国防費目標を達成していないことを理由に、スペインとのすべての貿易を打ち切ると警告した。この警告に対し、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は翌3月4日、スペインのペドロ・サンチェス首相に連帯を表明した。この事例は、米国が同盟国に対して防衛負担増強を求める政治的圧力を強めている現状を示すものとなっている。

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Reference / エビデンス