日本の科学技術・産業政策:最新の政府動向と課題

科学技術予算と人材育成に関する政府の動き

内閣府は2026年3月6日、科学技術関係予算について公表しました。これに先立つ3月5日には、各府省等における博士号取得者および修士号・専門職学位取得者の採用人数に関する調査結果が公表されています。これらの発表は、日本の科学技術分野への政府の財政的コミットメントと、先端技術分野における人材確保・育成の現状およびその重要性を示しています。2026年度から5カ年の科学技術政策の指針となる第7期科学技術・イノベーション基本計画は、2026年3月末までに閣議決定が予定されていました。

先端技術分野における産業政策の戦略的重点化

経済産業省は、人工知能(AI)と半導体を中心とするデジタル産業基盤への戦略投資拡大により、産業構造転換とイノベーション創出を実現し、産業競争力を強化することが不可欠であると考えています。特に、ロボットや機械を自律制御する「フィジカルAI」など最先端半導体を活用したデジタル・AIサービスの創出を通じて、最先端半導体の国内需要創出に繋げる方針です。日本政府は、国内で生産する半導体の売上高を2040年に40兆円まで引き上げるという目標を掲げています。経済産業省の越智俊之大臣政務官は、AIと半導体を別々の政策課題として扱うのではなく、AI・半導体エコシステムの構築に向けた国家戦略として再構成する必要があると述べています。

政策の持続可能性と課題

日本の研究力低下、経済成長の停滞、国際競争激化といった背景が指摘される中で、科学技術政策の持続可能性が問われています。過去の第6期科学技術・イノベーション基本計画においては、官民合わせた投資目標が120兆円と掲げられたものの、実績は86.3兆円に留まり、目標を大幅に下回っていました。2026年3月末までに閣議決定が予定されていた第7期科学技術・イノベーション基本計画は、日本の基礎研究力低下やテクノロジーを巡る国家間の競争激化、安全保障環境の変化に対応するため、科学技術推進システムの刷新を目指すものでした。

[ Advertisement ]

Reference / エビデンス