日本、産業競争力強化法改正案を閣議決定:先端技術支援の最新動向(2026年3月6日)
産業競争力強化に向けた法案閣議決定:国内投資促進とサプライチェーン強靭化
2026年3月6日、日本政府は「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。この法案は、国際経済情勢の変化、物価上昇、人口減少といった課題に対応し、国内投資促進、供給網強靭化、産業用地・担い手確保のための生活基盤維持支援を通じて産業競争力の強化を図ることを目的としています。
特に、法案には「大胆な投資促進税制」が盛り込まれており、投資利益率15%以上、投資規模35億円(中小企業等は5億円)以上などの要件を満たす「特定生産性向上設備等」に対し、即時償却または7%の税額控除を措置する内容となっています。
先端半導体分野における官民連携の具体例:2nmプロセスSoC開発とRapidusの役割
同じく2026年3月6日、キヤノンと日本シノプシスは、NEDOが公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に採択された研究開発プロジェクト「先端半導体技術を活用した画像処理SoC技術開発」への参画を発表しました。このプロジェクトでは、キヤノンの画像処理技術と日本シノプシスの設計技術を融合し、2nm世代プロセス技術とチップレット技術を組み合わせた高性能・低消費電力の画像処理SoCの設計を目指します。
この取り組みにおいて、2nm世代プロセスのチップおよびチップレット構造のパッケージング設計・試作は、次世代半導体の量産を目指すラピダスへ委託される予定です。
広範な先端技術支援策と財政的持続可能性
日本政府は、半導体・AI分野に2030年度までに10兆円以上の公的支援を投入し、官民合わせて50兆円超の国内投資で約160兆円の経済波及効果を目指す方針を掲げています。これには、TSMC熊本工場への約1兆2,000億円、ラピダスへの累計約2.9兆円(推計)、マイクロン広島への5,360億円といった大型補助金が含まれており、日本の半導体支援規模はGDP比で米国の約3.4倍と突出しています。
次世代半導体の量産を目指すラピダスは、2026年2月27日にNTTやソフトバンクなど民間32社から合計1,676億円の出資を受けると発表しており、これは2025年度中に1,300億円を集めるという当初目標を上回る結果となりました。国は2027年度までに3兆円規模の支援を行う方針であり、ラピダスは2031年度までに7兆円の資金が必要と見込んでおり、うち1兆円を民間出資で賄う計画であると示しています。
また、日本は2026年度以降、半導体支援を補正予算頼みから本予算で毎年1兆円規模を確保する方針に転換し、産業基盤再構築のための長期的な投資設計を進めています。
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- 「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました 2026年3月6日、日本政府は「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。この法案は、国際経済情勢の変化、物価上昇、人口減少といった課題に対応し、国内投資促進、供給網強靭化、産業用地・担い手確保のための生活基盤維持支援を通じて産業競争力強化を図ることを目的としている。特に、投資利益率15%以上、投資規模35億円(中小企業等は5億円)以上などの要件を満たす「特定生産性向上設備等」に対し、即時償却または7%の税額控除を措置する「大胆な投資促進税制」が盛り込まれている。
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