グローバルサウスにおける非米ドル決済網構築の加速と国際金融システムの多極化

BRICSが加速する非米ドル決済網の構築:『Brics Pay』と人民元の役割

BRICS諸国は、国際金融秩序の再編に向けた動きを加速させており、統一決済システム「Brics Pay」の導入計画が具体化しています。このシステムは2026年の段階的な稼働を目指しており、長期的には独自の決済インフラや超国家的な計算単位の創設も視野に入れています。BRICSの新開発銀行(NDB)は、グローバルサウスへの資金供給において中国人民元を積極的に推進しており、この動きは脱ドル化を加速させ、多極的な金融秩序の構築を促す可能性が指摘されています。また、中国のデジタル人民元(e-CNY)は2026年1月に世界初の利息付与制度を開始し、その制度的位置づけが従来の現金通貨のデジタル版から銀行預金のデジタル版へと変更されました。これにより、デジタル人民元は準備金制度、利息付与、預金保険の対象となり、CBDCの新たな段階に突入したことは、通貨多極化の文脈において重要な進展と見られています。

デジタル決済プラットフォームの台頭:NeUSDの市場参入と国際決済の多様化

2026年3月3日、東南アジア金融機関と連携するデジタルアセットプラットフォーム「NeUSD」が、世界のグローバルデジタル資産取引市場で自社トークンの取引を開始しました。これは、国際市場における流動性基盤を大幅に強化し、実需設計を伴うデジタル金融インフラとしての実装フェーズを本格化させるものと位置づけられています。非米ドル建てのデジタル金融インフラ構築における重要な一歩であり、伝統金融とWeb3経済圏を接続するハイブリッド型金融モデルの実装を本格化させる動きと見られています。また、2025年6月6日に成立した改正資金決済法は、金融のデジタル化の進展に対応し、利用者保護を確保しつつイノベーションを促進するため、暗号資産や電子決済手段(ステーブルコイン)に関する規制変更などが盛り込まれており、公布日から1年以内(2026年6月まで)に施行される予定です。こうした法整備の進展は、国際決済手段の多様化に影響を与えるものと考えられます。

グローバルサウスの経済的自立と国際金融システムへの影響

BRICSやNeUSDの動きは、グローバルサウス諸国の経済的自立を促し、国際貿易・金融における米ドルへの依存度を低減させる可能性を秘めています。2026年3月2日に公益財団法人国際通貨研究所が開催した第34回国際金融シンポジウム「岐路に立つグローバリゼーション~世界経済は分断を乗り越えられるか」では、ドルを基軸とする国際金融体制の将来像などについて活発な議論が交わされました。これらの非米ドル決済網の構築や通貨の多極化の動きは、既存の国際金融システムに構造的変化をもたらす可能性があり、マクロ経済的な視点からその影響が注目されています。

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