東アジア広域経済圏の潮流:中国の貿易・投資協定推進とベトナムの経済安定化戦略

中国、広域経済圏構想と貿易・投資協定の推進を加速

2026年3月5日に発表された中国の第14期全国人民代表大会(全人代)政府活動報告は、2026年の対外開放政策として、二国間および多国間貿易・投資協定の締結推進を表明しました。特に、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)と環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入交渉を積極的に推進し、デジタル貿易・グリーン貿易を発展させる方針が示されています。「一帯一路」共同建設国を中心とした投資協定交渉を加速し、投資の自由化、円滑化、保護のレベルを高めること、またハイレベルなデジタル経済やグリーン経済などのルールを組み込むことを目指しています。これらの動きは、東アジアの広域経済圏構想に質的な深化をもたらすものと国際貿易専門家の間で注目されています。

ベトナム、堅調な経済成長と戦略的インフラ投資を推進

2026年3月に開催されたベトナム政府の定例会議において、ファム・ミン・チン首相は2026年第1四半期の社会経済発展状況を総括しました。会議では、世界情勢の複雑性や予測不可能性が指摘され、米国の関税政策の変動、ウクライナ紛争、中東情勢によるサプライチェーンの混乱、石油・ガス価格と輸送コストの上昇、金融市場の不安定化などがリスクとして挙げられました。一方で、国内のマクロ経済情勢は安定し、インフレが抑制され、成長が促進されていると報告されました。

東アジアにおける経済連携とサプライチェーンの強靭化

東アジア地域においては、経済連携とサプライチェーンの強靭化に向けた取り組みが進められています。世界最大規模の自由貿易圏であるRCEP協定は発効から4年が経過し、加盟拡大が本格化しています。2027年には協定の包括的見直しが予定されており、原産地規則の厳格化や電子商取引・デジタル貿易への対応準備が重要であると指摘されています。経済産業省のウェブページでは、RCEP協定の概要、特恵関税の活用、および日本貿易振興機構(JETRO)による中小企業支援など、RCEPに関する情報が提供されています。

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Reference / エビデンス

  • 中国、2026年はより多くの貿易・投資協定締結を推進(中国) | ビジネス短信 - ジェトロ 中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議(2026年3月5~12日開催)で発表された政府活動報告は、2026年の対外開放政策として、より多くの二国間および多国間貿易・投資協定の締結推進を表明しました。特に、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)と環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入交渉を積極的に推進し、デジタル貿易・グリーン貿易を発展させるとしました。また、「一帯一路」共同建設国を中心に投資協定交渉を加速し、投資の自由化、円滑化、保護のレベルを高め、ハイレベルなデジタル経済やグリーン経済などのルールを組み込む方針を示しています。
  • 26年1~3月期のGDP成長率予測、+8.0~8.3%達成の見込み [経済] - VIETJO 2026年4月1日、ベトナムのチャン・タイン・マン国会議長は、国会常務委員会の会議で、2026年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率が+8.0~8.3%となる見込みであると発表しました。今後の目標として+7.5~9.0%の成長率達成、特に+10%の成長への決意が示され、2030年までに国民一人当たりGDPを約7500USDに引き上げ、デジタル経済が経済規模の約30%を占めるようにする目標が掲げられました。この目標達成のためには、南北高速鉄道や原子力発電などの戦略的インフラプロジェクトに集中し、制度改革を推し進める必要があると強調されています。
  • 3月に定例政府会議を開催し、政府と地方自治体間のオンライン会議を実施する。 - Vietnam.vn 2026年3月、ベトナムのファム・ミン・チン首相は定例政府会議を主宰し、2026年第1四半期の社会経済発展状況を総括し、第2四半期および今後の主要な課題と解決策を提示しました。会議では、世界情勢が複雑で予測不可能であり、米国の関税政策の変動、ウクライナ紛争、中東情勢によるサプライチェーンの混乱、石油・ガス価格と輸送コストの上昇、金融市場の不安定化などがリスクとして挙げられました。しかし、国内では基本的なマクロ経済情勢が安定し、インフレが抑制され、成長が促進されていると報告されました。
  • 第10回日韓財務対話の開催について(令和8年3月14日) 2026年3月14日に東京で開催された第10回日韓財務対話では、日本の片山さつき財務大臣と韓国のク・ユンチョル副総理兼財政経済部長官が、世界・地域経済、経済安全保障、多国間・二国間協力について意見交換を行いました。両大臣は、グローバル・サプライチェーンの強化が経済安全保障上の優先事項であるとの認識を共有し、特に重要鉱物のサプライチェーン多様化を多国間イニシアティブを通じて推進することで合意しました。また、最近の急速な韓国ウォン安および日本円安に関する深刻な懸念を表明し、為替レートの過度な変動と無秩序な動きに対して、外国為替市場を注視し、適切な対応をとることを再確認しました。
  • 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定 - 経済産業省 経済産業省の地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に関するウェブページは、2026年3月4日に最終更新されました。このページは、RCEP協定の概要、特恵関税の活用、および日本貿易振興機構(JETRO)による中小企業支援など、RCEPに関する情報を提供しています。
  • RCEP加盟拡大が本格化:日本企業が押さえるべき戦略的チェックポイント 2026年2月8日時点の情報によると、世界最大規模の自由貿易圏であるRCEP協定は発効から4年が経過し、加盟拡大が本格化しています。2027年には協定の包括的見直しが予定されており、原産地規則の厳格化や電子商取引・デジタル貿易への対応準備が日本企業にとって重要であると指摘されています。
  • ボアオ・アジア・フォーラム(BOAO)2026開催 | Science Portal China 2026年3月24日から27日にかけて中国海南省で開催されたボアオ・アジア・フォーラム2026では、アジア経済のGDPが世界経済に占める割合が2025年の49.2%から2026年には49.7%へ上昇する見込みであり、アジアが引き続き世界経済成長の主要な原動力であると報告されました。特に中国とASEANは地域経済を安定させる役割を強めており、中国は多様な市場やグローバル・バリューチェーンを結びつける重要な役割を果たしていると指摘されています。
  • アジアフォーラムで中国が「必須の選択肢」とされた理由 - 日本东方新報 ボアオ・アジア・フォーラム2026年年次総会(3月27日閉幕)では、アジア地域内の貿易依存度が2023年の56.3%から2024年の57.2%に上昇する見通しが示されました。中国は「衝突と対抗を捨てる」「閉鎖的で排他的な姿勢を捨てる」「覇権主義や強権による抑圧を捨てる」「疑念と隔たりを捨てる」という4つの提言を行い、ハイレベルの対外開放を拡大する方針を強調しました。