北米二国間同盟の再定義:カナダの対米依存脱却と米国の防衛負担増要求の動向

カナダ、防衛産業戦略で対米依存からの脱却を模索

2026年3月5日、カナダの防衛調達担当国務長官スティーブン・フーア氏は、オタワ安全保障・防衛会議において、カナダが最近発表した防衛産業戦略について議論しました。フーア国務長官は、カナダが「特定の場所」への依存を減らし、「価値観を共有する志を同じくする国々」との連携を多様化する必要性を強調し、軍事要件と連携してカナダ経済を活性化させることの重要性にも言及しました。この戦略は、2026年2月17日にマーク・カーニー首相によって同国初の防衛産業戦略として発表されたものです。この戦略は、今後10年間で約20兆円を装備調達に、約32兆円を防衛・安全保障関連インフラに投資する計画を掲げ、国内製造業の強化と対米依存の解消を目指しています。

米国、2026会計年度国防予算案を成立させ同盟国に防衛負担増を要求

2026年3月3日、トランプ米大統領は2026会計年度(2025年10月~2026年9月)の包括歳出法案に署名し、同法案が成立しました。この予算には、台湾の安全保障協力を強化するための約10億米ドル、台湾向け国防装備品の交換とサービス償還のための約1億5000万ドル、対外軍事融資(FMF)を通じた少なくとも3億ドルの対台湾支援が含まれ、合計で14億ドル以上の対台湾防衛支援が盛り込まれています。米国は同盟国に対し、防衛費を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるよう圧力をかけており、2025年6月25日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、加盟国が2035年までに国防費をGDPの5%に引き上げることで合意しています。ホワイトハウスのレビット報道官は2025年6月26日、日本を含むアジア太平洋地域の同盟国も同様に増額できると期待感を示しました。

北米同盟の再定義と防衛協力の多角化

カナダは対米依存を減らし、防衛協力の多角化を進めており、その具体的な動きとして、2026年1月には日本との間で防衛装備品・技術移転協定が署名されています。一方、2026年初頭の米国人の対外意識に関する調査データは、米国が「信頼の輪」を狭め、制度的な同盟よりも価値観や戦略的利害の合致を優先する傾向を強めていることを示しています。この傾向は、カナダとの関係において「貿易紛争と『51番目の州』論争」として現れ、カナダの好意度が8ポイント下落し77%となりました。

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Reference / エビデンス