国際決済システムの多極化進む:BRICS「Brics Pay」とデジタル人民元の影響

BRICS、統一決済システム「Brics Pay」で脱ドル化を加速

新興国グループBRICSは、国際金融秩序の再編を加速させており、2026年の段階的な稼働を目指す統一決済システム「Brics Pay」の導入計画が具体化している。連盟内部では、包括的な金融インフラの構築や超国家的な計算単位の創設に向けた議論が深化しており、ドルやSWIFTに依存する従来の決済体制からの代替モデル構築を急いでいる。2025年7月には、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長がBRICSのデジタル決済プラットフォーム設立計画が着実に進展していると報告し、プーチン大統領もBRICS首脳会合で、各国における自国通貨の使用拡大の重要性を指摘し、ロシア提案の決済プラットフォーム創設を改めて主張した。しかし、2025年10月時点では、BRICSは共通通貨発行の正式な日程を公表しておらず、専門家は2026年以前の発行は現実的ではないと見ており、現在は現地通貨決済の拡大や代替決済システムの構築が優先されている。

中国、デジタル人民元に利息付与開始 – 国際化戦略を本格化

中国のデジタル人民元は、2026年1月から世界で初めて利息付与を開始した。これは、中国がデジタル人民元の国際化戦略を本格化させている兆候と見られている。加えて、2026年3月の中国全国人民代表大会(全人代)において、人民元国際化に関する表現から「稳慎」(慎重かつ着実)の文字が外され、中国が人民元国際化2.0を本格化させていることが示唆された。

既存国際決済システムSWIFTの進化とCBDC・ブロックチェーンへの対応

BRICSや中国の動きと並行して、既存の国際決済システムであるSWIFTは2026年に向けて新たな国際送金スキーム「Swift Payments Scheme 2026」の導入を進めている。この新スキームはクロスボーダー即時決済を目指しており、2026年前半にはMVP(実用最小限の製品)が提供され、消費者や中小企業向けのクロスボーダー決済体験を変革する基盤を築く予定である。みずほ銀行を含む世界32行がこの新サービスに参加している。SWIFTは、既存のメッセージインフラを補完する形で、ブロックチェーン上に共同台帳を構築する取り組みも進めており、各プレイヤーが独自に構築した「デジタルアイランド」化を避け、相互運用性の確保が重要であると認識している。また、日本銀行の植田和男総裁は2026年3月に、ブロックチェーン技術を用いた「中央銀行マネー」の国際送金や日銀当座預金決済への活用を検討すると表明した。日銀はBIS主導の「プロジェクト・アゴラ」にも参加しており、第1フェーズの完了は2026年前半が見込まれている。

グローバルサウスの金融協力強化と脱ドル化の地政学的背景

2026年には、各国中央銀行が外貨準備としてのドルへの過度な依存を減らし、物理的な現物資産である金への回帰を強めている。

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Reference / エビデンス