北米連邦インフラ投資の最新動向:2026年3月上旬 米国のIIJA執行と電力政策

北米連邦インフラ投資計画:2026年3月初旬の主要動向

2026年3月4日、米国ではドナルド・J・トランプ大統領が主要なAIおよびテクノロジー企業との間で「Ratepayer Protection Pledge」を発表しました。この誓約は、データセンターのエネルギー需要増加がアメリカの家計の電気料金を上昇させないことを目的としています。具体的には、企業が新たな電力供給インフラのアップグレード費用を全額負担し、公益事業者および関連する州政府と個別の料金体系を自主的に交渉することが求められています。

米国のインフラ投資雇用法(IIJA)の執行状況と課題

米国の連邦インフラ投資雇用法(IIJA)の執行状況に関して、2026年1月31日時点の米国運輸省の報告によると、制定された予算権限は4960億9165万1000ドル、発表された助成金は4901億9257万3000ドル、義務付けられた資金は3602億5618万8000ドル、支出された資金(outlays)は2136億7116万3000ドルとなっています。

2026年2月3日には、ドナルド・トランプ大統領が2026年度の交通歳出法案に署名しました。これにより、2021年のインフラ法(IIJA)の最終年度を通じて、主要な高速道路および公共交通プログラムに完全に資金が供給されることとなりました。しかし、この2026年度連結歳出法では、Strengthening Mobility and Revolutionizing Transportation (SMART) 助成金プログラムから2億ドル以上が転用され、国家電気自動車(NEVI)フォーミュラプログラムの事前配分から8億ドル以上が削減されるなど、資金の再編成も行われました。

法的な側面では、2026年1月23日の連邦裁判所の判決により、米国運輸省と連邦高速道路局が国家電気自動車インフラ(NEVI)フォーミュラプログラムの資金を凍結した行為は違法であると判断されています。

Urban Instituteの調査によると、IIJAは恵まれない郡への投資を増加させた一方で、2025年1月にはトランプ政権がJustice40イニシアチブを撤回し、歴史的な不平等の是正へのコミットメントが覆されました。また、広範な連邦資金の削減、凍結、および遅延がプロジェクトの実施を脅かしているとの指摘もあります。

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Reference / エビデンス

  • Mexico Plans $22.5 Billion Investment in Road Infrastructure - Laredo Today 2026年3月5日、メキシコ政府は2030年までに道路インフラに3970億4600万ペソ(約225億ドル)を投資する計画を発表しました。この計画には、4,937kmの道路と高速道路の改善、および21の橋梁の建設または改修が含まれ、公共投資と民間資本を組み合わせた混合スキームが活用されます。
  • Mexico Approves Infrastructure Law to Spur Capital Flows 2026年3月27日、メキシコで「戦略的インフラ投資促進法」が承認されました。この法律は、2026年から2030年までのインフラ投資計画に基づき、エネルギー、鉄道、道路、港湾、保健、水、教育、空港を含む8つの戦略的分野で、公共および混合投資を通じて5.6兆メキシコペソ(約3091億米ドル)を動員することを目指しています。
  • Mexico proposes law to promote investment in strategic infrastructure - BNamericas 2026年3月19日に議会官報で公開された法案によると、メキシコ大統領クラウディア・シェインバウムは、戦略的インフラへの投資を促進する法案を議会に送付しました。この法案は、エネルギー、運輸(特に鉄道と港湾)、電気通信、水管理などの分野における事業に特別な制度を確立し、技術的実現可能性と雇用創出、サービス改善を結びつける「福祉を伴う開発」の概念を組み込んでいます。
  • Trump's Transportation Secretary Sean P. Duffy to Invest Nearly $1 Billion to Upgrade Crucial Safety Infrastructure and Save Lives on American Roads 2026年3月27日、米国運輸長官ショーン・P・ダフィーは、米国の重要な安全インフラをアップグレードし、道路上の命を救うために9億9950万ドルの資金提供を発表しました。この「Safe Streets and Roads for All (SS4A)」助成金プログラムは、緊急対応サービスの強化、トラック駐車場の拡大、鉄道交差点の近代化、家族向けインフラのアップグレードに資金を提供します。
  • Outcomes Tracker - Build Canada 🏗️ 2026年3月19日、カナダの住宅・インフラ・コミュニティ省は、新たな「Build Communities Strong Fund」を通じた最初の発表として、トロント市に1億8300万ドルを交付し、既存のCanada Community-Building Fundが「Community Stream」となることを確認しました。
  • In brief: Mexico's Sheinbaum seeks investment in infrastructure - LatinNews 2026年3月20日、メキシコ大統領クラウディア・シェインバウムは、成長促進の一環として「戦略的インフラ」への投資を促進する法案を議会に送付したと発表しました。この法案は、彼女の任期が終了する2030年までに、戦略的分野で官民合わせて5.6兆メキシコペソ(3140億米ドル)の投資を想定しています。
  • Infrastructure Investment and Jobs Act (IIJA) - Federal Highway Administration 2026年3月5日、連邦高速道路局(FHWA)は「交通管制装置に関する国家基準;道路および高速道路のための統一交通管制装置マニュアル改訂1最終規則」を発表しました。
  • Housing, Infrastructure and Communities Canada 2026-27 Departmental Plan 2026年3月13日、カナダの住宅・インフラ・コミュニティ省(HICC)は2026-27年度部門計画を発表し、新たな「Build Communities Strong Fund (BCSF)」の立ち上げを詳述しました。この基金は2026-27年度から10年間で510億ドルを提供し、住宅関連インフラ、道路、水・廃水、大学・カレッジのインフラを支援する「Provincial and Territorial Stream」(172億ドル)、地域的に重要なプロジェクト、気候変動適応、コミュニティインフラを支援する「Direct Delivery Stream」(60億ドル)、および既存のCanada Community-Building Fundを再編した「Community Stream」(278億ドル)の3つの資金ストリームで構成されます。
  • FY26 SS4A Notice of Funding Opportunity | US Department of Transportation 2026年3月27日、米国運輸省は「Safe Streets and Roads for All (SS4A)」助成金プログラムの2026会計年度(FY26)資金提供機会通知(NOFO)を発表しました。このプログラムは、歩行者、自転車利用者、公共交通機関利用者、自動車運転者、商用車運転者を含むすべての道路利用者の死亡および重傷を防止するための計画、インフラ、行動、および運用イニシアチブを支援するために、競争入札に基づいて資金を授与します。
  • Canada to spend $183M in Toronto's infrastructure, transit - YouTube 2026年3月19日、カナダ連邦政府は、トロント市の2025-26会計年度のインフラおよび交通プロジェクトに1億8300万ドルを支出すると発表しました。この資金は、新たな「Build Communities Strong Fund」のコミュニティストリームを通じて提供されます。
  • Fact Sheet: President Donald J. Trump Advances Energy Affordability with the Ratepayer Protection Pledge - The White House 2026年3月4日、ドナルド・J・トランプ大統領は、主要なAIおよびテクノロジー企業との間で「Ratepayer Protection Pledge」を発表しました。この誓約は、データセンターのエネルギー需要増加がアメリカの家計の電気料金を上昇させないことを保証するもので、企業が新たな電力供給インフラのアップグレード費用を全額負担し、公益事業者および関連する州政府と個別の料金体系を自主的に交渉することを求めています。
  • Transportation Spending Set for Fiscal Year 2026 - ARTBA 2026年2月3日、ドナルド・トランプ大統領は2026年度の交通歳出法案に署名し、2021年のインフラ法(IIJA)の最終年度を通じて、主要な高速道路および公共交通プログラムに完全に資金を供給することを決定しました。
  • What the recently-passed federal funding package means for cities - NACTO 2026年2月3日に署名された2026年度連結歳出法は、連邦交通プログラムに2026年9月30日まで資金を確保しましたが、Strengthening Mobility and Revolutionizing Transportation (SMART) 助成金プログラムから2億ドル以上を転用し、国家電気自動車(NEVI)フォーミュラプログラムの事前配分から8億ドル以上を削減するなど、資金の再編成が行われました。
  • The Infrastructure Investment and Jobs Act Promised a Shift in Infrastructure Funding Priorities. Did It Deliver? | Urban Institute Urban Instituteの調査によると、インフラ投資雇用法(IIJA)は恵まれない郡への投資を増加させましたが、トランプ政権は2025年1月にJustice40イニシアチブを撤回し、歴史的な不平等の是正へのコミットメントを覆しました。広範な連邦資金削減、凍結、遅延がプロジェクトの実施を脅かしています。
  • Infrastructure Investment and Jobs Act (IIJA) Funding Status - Department of Transportation 2026年1月31日時点の米国運輸省の報告によると、インフラ投資雇用法(IIJA)の資金状況は、制定された予算権限が4960億9165万1000ドル、発表された助成金が4901億9257万3000ドル、義務付けられた資金が3602億5618万8000ドル、支出された資金(outlays)が2136億7116万3000ドルとなっています。
  • Recent Rulings Confirm Procedural Safeguards for U.S. Energy Infrastructure - Jones Day 2026年1月23日の連邦裁判所の判決により、米国運輸省と連邦高速道路局が国家電気自動車インフラ(NEVI)フォーミュラプログラムの資金を凍結した行為は違法であると判断されました。