中東情勢緊迫化とBRICS拡大:グローバルサウスの多角外交と自律性強化(2026年3月上旬)
中東情勢の緊迫化とグローバルサウスへの影響
2026年3月2日、中東紛争の激化が世界の金融市場に大きな影響を与えました。週末に報じられた米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け、原油価格が高騰し、市場ではリスク回避の動きが顕著となりました。地政学的緊張の高まりを受け、金価格は1オンスあたり5,376.44ドルと4週間ぶりの高値を記録し、米国の金先物価格も2.7%上昇しました。原油価格の高騰に伴うインフレ懸念から米ドルは主要通貨に対して上昇し、ブルームバーグ・ドル指数は2026年2月初旬以来の高値を更新しました。また、イランによるドローン攻撃を受けてカタールが世界最大の液化天然ガス(LNG)プラントの生産を停止したことで、ヨーロッパのガス価格は50%以上急騰しました。
航空便の麻痺や航空関連株の急落も報告されており、中東情勢は世界の物価、物流、金融市場、食料安全保障に直撃しています。これにより、グローバルサウス諸国はエネルギー供給や物価変動から多大な影響を受ける可能性があり、「インフレ再燃」「景気後退」「利下げ遠のく」といった警戒感が市場で強まり、経済的自律性への課題が浮き彫りになっています。
BRICSの拡大と多角外交の推進
2026年1月1日、インドはBRICSの議長国に就任し、同年中に第18回BRICSサミットを主催する予定です。インドのニューデリーでは、2026年2月10日に初のBRICS調整人会議が開催され、インドは議長国としての活動を本格的に開始しました。インドは「強靭性、革新、協力、持続可能性の構築」を年間テーマに掲げており、気候変動対策、グリーンファイナンス、エネルギー転換、持続可能な開発への集団的努力の加速、そして世界的な不確実性やサプライチェーンの混乱、健康課題、気候リスクに対応するための経済的・社会的・制度的強靭性の強化を目指しています。
BRICSは近年、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに加え、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が新規加盟しており、その拡大はグローバルサウスの主要新興国として、国際的な課題に対し多角的な外交を展開し、政治的自律性を強化する動きを加速させると考えられます。白ロシアもBRICSパートナー国として初めて会議に出席し、食料安全保障と水資源安全保障の分野での技術協力への意欲を示しました。
日本とグローバルサウスの連携強化の動き
日本もグローバルサウスとの連携強化に向けた具体的な動きを見せています。2026年3月2日、大和ハウス工業は経済産業省の令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化)」に係る補助事業者に採択されたことを発表しました。同社は既に2026年2月27日より、ウクライナ公営住宅向けプレハブ住宅の生産・建築・提供に関するフィジビリティ・スタディ(FS)実証事業を開始しており、これはグローバルサウス諸国が先進国との協力関係を構築する多角外交の一例として位置づけられます。
[ Advertisement ]Reference / エビデンス
- 2026年3月2日の世界経済ニュースのハイライト - Vietnam.vn 2026年3月2日、中東紛争の激化により航空便が麻痺し、航空関連株が急落した。地政学的緊張の高まりを受け、金価格は1オンスあたり5,376.44ドルと4週間ぶりの高値をつけ、米国の金先物価格も2.7%上昇した。原油価格高騰に伴うインフレ懸念から米ドルは主要通貨に対して上昇し、ブルームバーグ・ドル指数は2026年2月初旬以来の高値を記録した。また、イランによるドローン攻撃を受け、カタールは世界最大のLNGプラントの生産を停止し、ヨーロッパのガス価格は50%以上急騰した。
- 【2026年3月2日】の経済・時事ニュースまとめ | @next(アットネクスト) 2026年3月2日の市場は、週末に報じられた米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け、原油高とリスク回避の動きが目立った。中東情勢が金融市場の主要テーマとなり、原油・金・ドルといった「有事」で動きやすい指標が一斉に動いた。
- 2026年3月|国際情勢レポート - いい政治ドットコム 2026年3月は、中東を震源とする危機が世界の物価・物流・外交・食料にまで連鎖した月であった。イラン戦争の激化とそれに伴うホルムズ海峡危機は、原油、ガス、肥料、海運、金融市場、食料安全保障に直撃し、原油価格は3月だけで歴史的な上昇幅を記録する勢いとなった。これにより、各国市場では「インフレ再燃」「景気後退」「利下げ遠のく」という三重苦への警戒が一気に強まった。
- 18th BRICS summit - Wikipedia インドは2026年1月1日にBRICS議長国に就任し、2026年に第18回BRICSサミットを主催する予定である。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに加え、近年エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が加盟し、拡大している。
- brics 2026 2026年のBRICS議長国であるインドは、「強靭性、革新、協力、持続可能性の構築」を主要な柱として掲げている。これは、気候変動対策、グリーンファイナンス、エネルギー転換、持続可能な開発に向けた集団的努力の加速、および世界的な不確実性、サプライチェーンの混乱、健康課題、気候リスクに対応するための経済的、社会的、制度的強靭性の強化を目指すものである。
- 印度召开首次金砖协调人会议启动2026主席国任期 - TV BRICS 2026年2月10日、インドのニューデリーで初のBRICS調整人会議が開催され、インドが議長国としての活動を正式に開始した。インド外交部の経済関係担当秘書であるスダハカー・ダレイラは、インドが「以人為本、弘揚人道主義精神」の原則に基づき、強靭性、革新、協力、持続可能性を年間テーマとすることを強調した。白ロシアもBRICSパートナー国として初めて会議に出席し、食料安全保障と水資源安全保障の分野での技術協力への意欲を示した。
- 経済産業省の令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金 」事業に採択 2026年3月2日、大和ハウス工業は、経済産業省の令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化)」に係る補助事業者に採択されたことを発表した。同社は、ウクライナ公営住宅向けプレハブ住宅の生産・建築・提供に関するフィジビリティ・スタディ(FS)実証事業を2026年2月27日より開始している。
- G7 leaders hold online meeting to discuss Iran situation and energy prices (March 12, 2026) 2026年3月11日、G7首脳はオンライン会議を開催し、イラン情勢やエネルギー価格の高騰について議論した。会議に参加した高市総理は、ホルムズ海峡付近での船舶への攻撃に懸念を示し、安全な航行を確保するためにG7や中東諸国などと連携すると表明した。G7は、ロシア産原油の輸出価格に上限を設けるなどの対ロシア制裁を継続する方針で一致した。
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