北米における同盟再定義と防衛負担共有の現状:カナダの支出増と米墨協力の動向

カナダの防衛支出増強と対米依存解消への動き

カナダは、2025-26会計年度において北大西洋条約機構(NATO)のGDP比2%の防衛支出目標を達成した。これは、2025年6月に表明された、2026年3月31日までにGDPの2%を防衛に投資するというカナダのコミットメントを反映している。さらに、2026年2月17日には初の防衛産業戦略を発表し、国内製造業を強化し、米国への依存度を低減する意図を示した。この戦略では、今後10年間で装備調達に1,800億カナダドル、防衛・安全保障関連インフラに2,900億カナダドルを投資する計画が明らかにされた。

米国・メキシコ間の安全保障協力の深化とUSMCA見直し

米国とメキシコは、2026年2月22日に実施された麻薬カルテル幹部「エル・メンチョ」の殺害作戦を受けて、同月25日に高レベル会合を開催した。この会合では、米国の情報支援を受けて行われた作戦後の二国間協力の進展が強調された。

北米における防衛負担共有の政治的背景と米国の要求

北米地域における防衛負担共有の議論は、米国の広範な同盟戦略の中で位置づけられている。2026年1月24日に発表された第二次トランプ政権の「国家防衛戦略」は、中国を世界第2位の強国とみなし、対中抑止を最優先課題とした上で、全ての同盟国に防衛費をGDP比5%まで引き上げるよう要求している。また、2026年3月の報告によると、米国の2026会計年度の国家防衛裁量支出は、前年度比で17%以上増加し、1.05兆ドルに達する見込みである。

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Reference / エビデンス