中東情勢激化下の国際安全保障:国連安保理の機能不全と地域同盟の変容

国連安保理の機能不全とホルムズ海峡危機への対応

2026年3月3日、国連安全保障理事会は、ホルムズ海峡での船舶保護のための「防衛的」武力行使を承認するバーレーン主導の決議案の採決を延期しました。この延期は、国連が聖金曜日を祝日としているためとされましたが、この日程は採決が最初に発表された時点で既に認識されていました。この事態は、中東での紛争激化、特に2026年2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃に端を発する地域の不安定化の中で発生しました。

このような地政学的緊張が高まる中、安全保障理事会の機能不全の一端が露呈しています。2026年3月の安全保障理事会の月間暫定作業計画に関する協議において、理事会メンバーはイランに関する1737制裁委員会のブリーフィングを含めることについて、中国とロシアからの反対により合意できませんでした。

地域同盟の変容と多層的な安全保障への対応

2026年3月3日、ベルリンでは第20回NATO軍備管理・軍縮・大量破壊兵器不拡散年次会議が開幕しました。この会議は、同盟国およびパートナー国の高官や専門家が一堂に会し、進化する世界の安全保障環境と軍備管理の将来について議論する場となりました。

現在の国際システムにおいては、「ミニラテラリズム」が顕著な台頭を見せており、より深い構造的変化を反映しています。AUKUSやQuadといった小規模で機敏なグループが、高技術兵器や海洋支配に焦点を当てた技術的優位性を追求しています。特にQuadは、「インド太平洋海洋領域認識パートナーシップ」を通じて、インド太平洋全域の船舶と海軍の動きをリアルタイムで追跡する能力を確立しています。

アフリカ連合(AU)においても、地域内の安全保障課題への対応が進められています。2026年3月、エスワティニ王国がAU平和安全保障理事会(PSC)の議長国を務め、ギニアビサウ情勢への対処やアフリカにおける女性・平和・安全保障に関する公開セッションの開催といった活動が予定されています。また、AU外相は2026年2月に、2026年から2028年までのPSCの構成を再編し、新たなメンバーを選出しました。

[ Advertisement ]

Reference / エビデンス