2026年3月2日 北米主要国の通商・経済政策動向:連邦選挙後の変遷と現状

米国:トランプ政権下の通商政策と経済動向

2024年11月5日の大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利し、第47代米国大統領に選出されました。この選挙で共和党は上院で過半数を確保し、下院でも僅差で支配を維持したことで、共和党による三権掌握が確立されました。2026年3月2日、米国通商代表部(USTR)はトランプ大統領の2026年通商政策アジェンダと2025年年次報告書を議会に提出しました。このアジェンダは「アメリカ・ファースト」貿易政策の継続的なコミットメントを強調しており、国内製造業の増加(オンショアリング)、互恵的貿易協定の追求、貿易協定および貿易法の厳格な執行、貿易赤字の削減、そして医薬品、医療機器、金属、エネルギー、半導体、重要鉱物といった重要産業の国内回帰が主要な柱とされています。また、2026年2月20日には米国最高裁判所がメキシコからの輸入品に対する25%のIEEPA関税を無効とし、代わりに10%のSection 122追加課徴金が適用される政策変更がありました。経済指標を見ると、2026年2月の米国の月間国際貿易赤字は、1月の547億ドル(改定値)から573億ドルに拡大しました。一方、2026年1月には個人所得が0.4%、可処分個人所得が0.9%、個人消費支出が0.4%それぞれ増加しています。

カナダ:カーニー政権下の経済政策と金融情勢

カナダでは、2025年4月28日に実施された連邦選挙でマーク・カーニー氏を新党首とする自由党が再び政権を握り、少数与党政権を樹立しました。カーニー首相は「カナダ・ストロング」をスローガンに掲げ、高まる世界的緊張と米国の関税政策に対抗するキャンペーンを展開し、カナダの独立性を強調しました。経済動向では、2026年1月のカナダの実質国内総生産(GDP)が0.1%増加し、2025年第4四半期の緩やかな縮小から回復の兆しを見せました。

メキシコ:シェインバウム政権下の貿易政策とUSMCAレビュー

2024年6月2日のメキシコ大統領選挙では、クラウディア・シェインバウム氏が勝利し、メキシコ初の女性大統領に就任しました。彼女は地滑り的勝利を収め、与党モレナ党連合は議会の両院で3分の2のスーパーマジョリティを獲得する可能性がありました。貿易政策に関して、2026年1月1日にはメキシコが1,463の関税コード(メキシコの関税スケジュールの約12%)に対する関税引き上げと強化された税関管理を導入しました。これらの措置は、USMCA協定の規定に基づき米国またはカナダからの貨物には適用されません。米国通商代表部(USTR)の2026年通商政策アジェンダは、メキシコの国有エネルギー企業への優遇措置や不十分な労働基準を問題視しています。

北米全体の経済統合と貿易関係の展望

2026年は北米にとってUSMCAレビューを活用し、共同のレジリエンスと競争力を高める決定的な年となるという認識が示されています。USMCA協定は北米の経済統合を強化しており、メキシコは米国にとって単一で最も重要な輸出市場であり、メキシコからの輸出は米国の雇用を支えています。

[ Reference ]

  • 2024 United States presidential election - Wikipedia
    2024年11月5日の米国大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のカマラ・ハリス氏を破り、第47代大統領に選出された。トランプ氏は非連続で2期務める2人目の大統領となった。
  • USTR Releases the President's 2026 Trade Policy Agenda - Wiley Rein
    2026年3月2日、米国通商代表部(USTR)は、トランプ大統領の2026年通商政策アジェンダと2025年年次報告書を議会に提出した。このアジェンダは「アメリカ・ファースト」貿易政策への継続的なコミットメントを強調し、国内製造業の増加、互恵的貿易協定(ARTプログラム)の追求、貿易協定および貿易法の厳格な執行を優先事項としている。
  • Mexico election 2024 results updates: Claudia Sheinbaum wins presidency - Al Jazeera
    2024年6月2日のメキシコ大統領選挙では、クラウディア・シェインバウム氏が勝利し、メキシコ初の女性大統領となった。彼女はメキシコの民主主義史上最高の得票率で地滑り的勝利を収め、与党モレナ党連合は議会の両院で3分の2のスーパーマジョリティを獲得する可能性があった。
  • Results breakdown of the 2025 Canadian federal election - Wikipedia
    2025年4月28日に実施されたカナダ連邦選挙では、マーク・カーニーを新党首とする自由党が再び政権を握ったが、過半数には届かず少数与党政権となった。
  • 2025 federal election in review | Insights - Torys LLP
    マーク・カーニー首相率いる自由党は、2025年4月28日の連邦選挙で複数議席を獲得し、少数与党政権を形成した。これは自由党にとって3期連続の少数与党政権となる。
  • The final result: Who won what in 2025 Canada federal election, and why
    マーク・カーニーは「カナダ・ストロング」をスローガンに掲げ、高まる世界的緊張とトランプ大統領の関税政策に対抗するキャンペーンを展開し、カナダの独立性を強調した。
  • USTR Announces President Trump's 2026 "America First" Trade Policy Agenda
    2026年3月2日、USTRはトランプ大統領の2026年「アメリカ・ファースト」貿易政策アジェンダを発表し、国内製造業の増加(オンショアリング)と互恵的貿易協定の継続的な追求へのコミットメントを再確認した。この政策アジェンダは、医薬品、医療機器、金属、エネルギー、半導体、重要鉱物などの「重要サプライチェーン」のオンショアリングに焦点を当てている。
  • USTR 2026 Trade Policy Agenda - AG Bull
    USTRの2026年通商政策アジェンダは、米国の貿易政策が伝統的な自由化から、貿易赤字の削減、製造能力の再構築、エネルギー、半導体、金属、医薬品などの国家安全保障分野の強化に焦点を当てた「アメリカ・ファースト」モデルへと移行していると主張している。
  • U.S. Elections Analysis 2024: Key Outcomes & Insights for Counties
    2024年の選挙では、ドナルド・トランプ氏が大統領に選出され、共和党が上院で53議席を獲得して過半数を握り、下院でも僅差で支配を維持し、共和党による三権掌握が確立された。
  • United States presidential election of 2024 | Background, Candidates, Donald Trump, Joe Biden, Indictments, & Facts | Britannica
    ドナルド・トランプ氏は、2024年11月5日の米国大統領選挙で民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を破り、非連続で2期務める米国大統領となった。
  • 2024 Mexican general election - Wikipedia
    クラウディア・シェインバウム氏は2024年6月2日のメキシコ総選挙で大統領に選出され、メキシコ史上初の女性大統領、初のユダヤ系大統領となった。彼女は2024年10月1日に正式に就任した。
  • USMCA 2026: Mexico Pushes Modernization Over Renegotiation
    2026年3月16日に米国とメキシコ間のUSMCAレビューに向けた正式な二国間協議が開始される予定であり、メキシコのビジネス界は協定の核心章を再開するのではなく、近代化を求めている。USTRの2026年通商政策アジェンダは、メキシコの国有エネルギー企業への優遇措置と不十分な労働基準を問題視している。
  • Canada Monetary Policy March 2026 - FocusEconomics
    2026年3月18日、カナダ銀行は政策金利(翌日物金利目標)を2.25%に据え置いた。これは2025年の100ベーシスポイントの利下げに続くもので、中東紛争に関連する国際的な不確実性の高まりや、これまでの利下げの影響を評価するための様子見のアプローチが取られた。
  • Mexico - 2026 Trade and Customs Updates: Tariff Increases and New Compliance Requirements - Alvarez & Marsal
    2026年1月1日、メキシコは2026年税関更新の一環として、1,463の関税コード(メキシコの関税スケジュールの約12%)に対する関税引き上げと、強化された税関管理を導入した。これらの措置は、USMCA規定に基づき米国またはカナダからの貨物には適用されない。
  • Mexico at a turning point: How tariff realignment can redefine North American trade
    2025年に米国が貿易政策を開始した後、メキシコとカナダは米国にとって最も低い実効関税率を持つ国としての地位を固めた。USMCAは北米の経済統合を強化しており、2026年のUSMCAレビューは、共同のレジリエンスと競争力を高める機会となる。
  • 2026 Trade Policy agenda 2025 annual rePorT - USTR
    USTRの2026年通商政策アジェンダと2025年年次報告書は、トランプ政権が2026年に「アメリカ・ファースト」貿易政策を強化し、国内生産者と米国経済の勢いを維持することを目指していることを示している。
  • Mexico Tariffs 2026: What Manufacturers Actually Need to Know
    2026年2月20日、米国最高裁判所はメキシコからの輸入品に対する25%のIEEPA関税を無効とし、代わりに10%のSection 122追加課徴金(15%への引き上げが発表されたが未正式)を適用した。USMCAの資格を満たす商品は引き続き免除される。
  • Canada's economy was 'surprisingly OK' to start 2026: economists - Coast Reporter
    2026年1月、カナダの実質国内総生産(GDP)は0.1%増加し、2025年第4四半期の緩やかな縮小から回復の兆しを見せた。
  • Summary of Governing Council deliberations: Fixed announcement date of March 18, 2026
    2026年3月18日のカナダ銀行の金融政策決定では、政策金利を2.25%に据え置くことが合意された。これは、短期的な成長の潜在的な弱さと、エネルギー価格上昇によるインフレの上振れリスクがある中で、見通しへの影響を評価するには時期尚早であるとの判断による。
  • Bank of Canada holds interest rate at 2.25 per cent – March 18, 2026 - YouTube
    カナダ銀行は、米国の関税と貿易政策の不確実性、および中東での紛争の展開を注視していると表明した。
  • 2026 is a decisive year for North America - Brookings Institution
    2026年は北米にとってUSMCAレビューを活用し、共同のレジリエンスと競争力を高める決定的な年となる。メキシコは米国にとって単一で最も重要な輸出市場であり、メキシコからの輸出は米国の雇用を支えている。
  • U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA)
    2026年2月の米国の月間国際貿易赤字は、1月の547億ドル(改定値)から573億ドルに増加した。これは輸出よりも輸入が増加したためである。2026年1月には、個人所得が0.4%、可処分個人所得が0.9%、個人消費支出が0.4%増加した。
  • The labor market springs back to life in March as employers add 178,000 jobs - KPBS
    2026年3月、米国の労働市場は回復の兆しを見せ、雇用主は178,000人の雇用を追加し、2月の雇用減少を反転させた。失業率は4.4%から4.3%に低下した。
  • The Economic Situation: March 2026 | Mercatus Center
    2026年3月1日の報告によると、トランプ大統領の行動は経済政策の不確実性指数に劇的な変化をもたらした。2025年4月に貿易戦争が開始されて以来、政策の不確実性が高まっている。
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