2026年度日本の財政・税制政策:健全化目標の見直しと改正大綱の動向
財政健全化目標の見直し
2026年1月22日、高市首相は経済財政諮問会議において、政府の財政健全化目標の見直しを検討するよう指示しました。これにより、国と地方の基礎的財政収支(PB)の単年度黒字化を掲げた従来の目標から、数年単位でバランスを確認する方向への見直しが示されています。高市首相は、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げることで財政の持続可能性を実現し、市場からの信認を確保する方針を表明しています。
2026年度税制改正の主要点と具体化
2026年3月2日に概要が公表された2026年度税制改正大綱は、2025年12月26日に閣議決定されたものです。「経済を本とする財政」を基本方針に掲げ、大胆な危機管理投資と成長投資を通じた経済成長を目指しています。
法人課税の分野では、大胆な設備投資を促進するための新たな税制措置が創設されました。特定生産性向上設備等投資促進税制が設けられ、産業競争力強化法に基づく設備投資計画の確認を受けた場合に、即時償却または税額控除(4%または7%)の適用が可能となります。また、AI、量子、半導体などの国家戦略上重要な技術分野における研究開発税制も強化されています。国際課税においては、グローバル最低税負制(Pillar 2)の検討や海外子会社合算税制(CFC税制)の修正が含まれています。
消費課税では、越境電子商取引課税の適用範囲の見直しが図られ、商品販売プラットフォーム関連課税制度の導入が検討されています。税制調査会が提出した修正案には、小額輸入商品への一律10%の消費税課税が盛り込まれており、これにより1万円以下の輸入商品に対する消費税免除が廃止されます。個人使用目的の輸入商品に対する課税基準も変更され、海外販売価格の60%で課税する優遇措置が廃止され、実際の取引価格で全額課税されることになります。これらの措置は、小額輸入商品の増加と税収確保を背景としています。
[ Reference ]
- 11年ぶりの暫定予算<閣議決定>。本予算はいつ決まる?高市首相「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を抜本的に強化」予算編成の見直しとは? - 補助金ポータル
政府は2026年3月27日の閣議において、2026年度の暫定予算案を決定し、国会に提出しました。対象期間は4月1日から4月11日までの11日間で、一般会計の歳出規模は約8兆5,641億円となっています。今回の暫定予算は、本予算成立までのつなぎとして編成されるもので、提出は第2次安倍政権下の2015年度以来、約11年ぶりとなります。令和8年度予算案は3月13日に衆院を通過し、参院へ送付されており、憲法の規定により、参院で可決されない場合でも衆院通過から30日後にあたる4月11日には自然成立します。
- 経済財政諮問会議 | 総理の一日 - 首相官邸
2026年3月26日、高市総理は総理大臣官邸で令和8年第3回経済財政諮問会議を開催しました。会議では、オリヴィエ・ブランシャール教授とケネス・ロゴフ教授を招いた特別セッションが行われ、日本の経済財政運営について国際的な議論が行われました。高市総理は、官民協調で国内投資を促進し、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げることで財政の持続可能性を実現し、市場の信認を確保する方針を述べました。
- 第3回会議資料:会議結果 令和8年 : 経済財政政策 - 内閣府
2026年3月26日に開催された第3回経済財政諮問会議では、オリヴィエ・ブランシャール氏とケネス・ロゴフ氏が提出した資料(英語および事務局による日本語訳)が配布され、世界経済に関する分析やマクロ経済政策のあり方について意見交換が行われました。
- 日本の財政政策:今後の道筋
オリヴィエ・ブランシャール氏が2026年3月26日に提出した資料では、日本の政府純債務残高対GDP比が1990年の20%から現在約130%に上昇した経緯や、プライマリーバランスの赤字と政府債務の増加の歴史が分析されています。また、財政の持続可能性には透明性が不可欠であり、投資を別枠で区分管理し、歳出と見込まれる将来の歳入を明示する必要性が指摘されています。
- 2026(令和8)年度日本稅制改革| 勤業眾信 - Deloitte
2026年3月2日、勤業眾信は2026(令和8)年度日本税制改革の概要を公表しました。この税制改革大綱は、2025年12月19日に政府与党が公表し、同年12月26日に閣議決定されたもので、「経済を本とする財政」を基本方針とし、大胆な「危機管理投資」と「成長投資」による経済成長を目指しています。法人課税では、設備投資促進税制や戦略技術分野(AI、量子、半導体など)の研究開発費税額控除制度が新設・強化されます。国際課税では、グローバル最低税負制(Pillar 2)の検討や海外子会社合算税制(CFC税制)の修正が含まれます。消費課税では、越境電子商取引課税の適用範囲見直しや商品販売プラットフォーム関連課税制度の導入が検討されています。
- 経済財政諮問会議 - 内閣府 - Cabinet Office, Government of Japan
内閣府は、2026年3月26日に令和8年第3回経済財政諮問会議の会議資料を掲載し、2026年3月25日には開催情報を掲載しました。経済財政諮問会議は、内閣総理大臣のリーダーシップの下、経済財政政策に関する関係国務大臣や有識者議員等の意見を政策形成に反映させることを目的としています。
- 自民党 本予算案の年度内成立断念 午後 「暫定予算」が成立へ - KAB 熊本朝日放送
2026年3月30日、自民党は2026年度の本予算案の年度内成立を断念し、同日午後に暫定予算案が成立する見通しとなりました。高市総理大臣は本予算案の年度内成立に強くこだわっていましたが、与党が少数の参議院での審議状況により、年度内成立が困難となりました。暫定予算案は総額8兆6000億円で、新年度当初の行政運営に必要な経費を確保するものです。
- 過去最大122兆円の26年度予算案、国会提出…高市首相は3月末までの成立目指す方針 - 読売新聞オンライン
政府は2026年2月20日、一般会計の総額が122兆3092億円の2026年度予算案を国会に提出しました。これは25年度当初比で7兆1114億円増え、2年連続で過去最大を更新しました。高市首相は3月末までの成立を目指す方針を示し、野党にも協力を呼びかけていました。歳出では、社会保障関係費が39兆559億円、防衛費が9兆353億円で、いずれも過去最大です。国債費は金利上昇の影響で31兆2758億円となり、初めて30兆円を突破しました。
- 日本政府は2026年度臨時予算案を通過させ、3月30日に国会で採決を計画している - Binance
2026年3月27日、日本政府は閣議で2026年度臨時予算案を正式に通過させ、国会に提出しました。この予算は4月1日から11日までの11日間に適用され、一般会計支出総額は8.5641兆円です。政府は3月30日にこの予算案を国会で通過させることを計画しており、予算の空白を避けることを目的としています。この臨時予算案の編成は、2015年以来となります。
- 2026年度税制改正法案、国会提出へ
政府は2026年2月20日、令和8年度税制改正関連法案(所得税法等の一部を改正する法律案など)を閣議決定し、国会に提出しました。法人課税では、大胆な設備投資の促進に向けた税制措置の創設、研究開発税制の強化、賃上げ促進税制の見直しなどが盛り込まれています。
- 日本税制修正案提出,2026 年起对所有进口小额商品征10% 消费税
日本自民党税制調査会は、2026年より全ての輸入小額貨物(主に中国からのもの)に対し、金額の大小にかかわらず10%の消費税を課す税制修正案を提出しました。これにより、1万円以下の輸入商品に対する消費税免除が廃止され、個人使用の輸入商品に対する海外販売価格の60%で課税する特殊な計税優遇も廃止され、実際の取引価格で全額課税されることになります。また、年販売額50億日元を超える海外ECプラットフォームには代繳義務が課されます。これは、小額輸入商品の爆発的な増加と税収確保が背景にあります。
- 東京住宿稅將改為3% 京都3月起1晚最高課稅1萬日圓|20260202 公視晚間新聞 - YouTube
2026年より、日本の多くの地方自治体で宿泊税の徴収または税額の引き上げが開始されます。例えば、東京都では宿泊税が房価の3%に変更され、京都市では現行の1,000円上限が10,000円に引き上げられる可能性があります。これらの税収は、オーバーツーリズム問題の解決に充てられる予定です。
- 2026年度税制改正の大綱 速報 - PwC
2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱では、物価高への対応として基礎控除等の引き上げ、新たな設備投資促進税制の創設、研究開発税制の拡充が盛り込まれています。また、国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化や、外国子会社合算税制(CFC税制)の見直しも行われます。特に、特定生産性向上設備等投資促進税制が創設され、産業競争力強化法に基づく設備投資計画の確認を受けた場合に即時償却または税額控除(4%または7%)の適用が可能となります。
- 高市首相、「財政収支」黒字化目標を単年度から数年単位へ見直し指示…「歳出が際限なく拡大」懸念も - 読売新聞オンライン
高市首相は2026年1月22日、経済財政諮問会議で、政府の財政健全化目標の見直しを検討するよう指示しました。国と地方の基礎的財政収支(PB)の単年度黒字化を掲げた従来の目標を改め、数年単位でバランスを確認する方向に見直す方針を示しました。これは歳出の自由度を高める狙いがありますが、財政健全化が遠のく懸念も指摘されています。高市氏は、債務残高対GDP(国内総生産)比を安定的に引き下げることで財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保するとも述べています。
- 令和8年3月27日(金)定例閣議案件 - 首相官邸
2026年3月27日の定例閣議において、「令和8年度一般会計歳入歳出暫定予算概算について」および「令和8年度一般会計暫定予算について」などが決定されました。
- 2026年度当初予算案のポイント ~28年ぶりの一般会計プライマリーバランス黒字化予算
政府は2025年12月26日に2026年度予算案を閣議決定しました。予算規模は122.3兆円と過去最大で、国債費や地方交付税交付金の増加が主な要因です。新規国債発行額は29.6兆円と、昨年度当初から1.0兆円増加しました。当初予算ベースの一般会計プライマリーバランスは28年ぶりに黒字化しました。
- 経済財政諮問会議-令和8年3月26日 - 政府広報オンライン
2026年3月26日、高市総理は総理大臣官邸で経済財政諮問会議を開催しました。
- The government will submit a provisional budget proposal tomorrow, with a general account ... - YouTube
政府は2026年度の暫定予算案を3月27日に閣議決定し、国会に提出する方針を与野党に伝えました。これを受けて与野党は3月30日に衆議院本会議を開き、採決することで合意しました。暫定予算案には高校授業料の無償化など必要な経費が盛り込まれ、一般会計の総額でおよそ8兆6000億円となる見通しです。
- March 30, 2026: Budget Committee, "Provisional Budget Proposal for Fiscal Year 2026" - YouTube
2026年3月30日の衆議院予算委員会では、2026年度暫定予算案が審議されました。政府は、年度内に本予算を成立させることができなかったため、予算の空白を避けるために暫定予算を編成したと説明しました。これは2015年以来のことであり、単なる日程上の問題ではなく、政府の判断、国会運営、国民生活への影響という3つの観点から重く受け止める必要があると指摘されました。
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