グローバル金融システムの変革期:非米ドル化と通貨多極化の動向

国際金融秩序の変革期:グローバルサウスの非米ドル化動向

2026年3月2日、公益財団法人国際通貨研究所は第34回国際金融シンポジウム「岐路に立つグローバリゼーション~世界経済は分断を乗り越えられるか」を開催した。このシンポジウムでは、米国の関税政策の行方、サプライチェーン再編のコストと効果、グローバリゼーションの再編の方向性、そしてドルを基軸とする国際金融体制の将来像について活発な議論が行われた。これらの議論は、グローバル金融システムが大きな変革期にあることを示唆しており、特にグローバルサウスにおける非米ドル決済網構築と通貨多極化の動きが国際的な注目を集めている。

BRICS諸国による決済システム構築の進展

BRICS諸国は、独立したデジタル決済プラットフォームの構築計画を進めている。2024年8月の報道によると、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長は、新規加盟国を含むBRICS各国の中央銀行や財務省との間で協議が行われたことを報告した。このプラットフォームは、ロシアへの経済制裁やSWIFTからの締め出しを受け、各国通貨による相互決済システムを拡大し、ドルに代わる選択肢となることを目指している。また、2024年3月5日には、BRICSが仮想通貨およびブロックチェーンを基盤とした新たな決済システムの構築を発表した。これは、国際金融システムにおけるBRICSの役割を強化し、政治的影響を排除した国境を越えた貿易決済用の独立システムとして、米ドルに代わる地位を確立することを目的としている。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)が牽引する通貨多極化

中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、通貨多極化の進展において重要な役割を担っている。特に中国のデジタル人民元(e-CNY)は、世界で最も実用化が進んでいるCBDCの一つである。2026年1月には、世界で初めて利息付与制度を開始した。この動きは、国際金融秩序、とりわけドルを基軸とする通貨体制への挑戦として戦略的に位置づけられている。

[ Reference ]

  • 2026年3月2日開催 | 公益財団法人 国際通貨研究所
    2026年3月2日、公益財団法人国際通貨研究所は第34回国際金融シンポジウム「岐路に立つグローバリゼーション~世界経済は分断を乗り越えられるか」を開催しました。このシンポジウムでは、米国の関税政策の行方、サプライチェーン再編のコストと効果、グローバリゼーションの再編の方向性、そしてドルを基軸とする国際金融体制の将来像について活発な議論が行われました。
  • 4人の専門家が語る、通貨の未来像 | 世界経済フォーラム
    2026年3月3日、世界経済フォーラムは「通貨の未来像」と題する記事を発表し、グローバル経済が多国間体制から一極集中型へ移行し、AIが働き方を変革する中で、グローバル金融システムも大きな変革期を迎えていると指摘しました。専門家は、トークン化されたドル、金準備、デジタルウォレットなど、貨幣の再構築プロセスについて解説し、特に制裁執行時に金が「没収がより困難」であるため需要が高まっていると述べました。
  • BRICS、独立したデジタル決済プラットフォームの設立計画前進か=報道 - あたらしい経済
    2024年8月の報道によると、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)による独立したデジタル決済プラットフォームの設立計画が着実に進展しており、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長は、新規加盟国を含むBRICS各国の中央銀行や財務省と協議が行われたことを報告しました。このプラットフォームは、ロシアへの経済制裁やSWIFTからの締め出しを受け、各国通貨による相互決済システムを拡大し、ドルに代わる選択肢となることを目指しています。
  • BRICs(元新興5カ国)、仮想通貨およびブロックチェーン基盤の新たな決済システム構築へ
    2024年3月5日、BRICSは仮想通貨およびブロックチェーン基盤の新たな決済システムの構築を発表しました。これは、国際金融システムにおけるBRICSの役割を高め、国境を越えた貿易決済用の独立システムとして、政治的影響を極力排除し、米ドルに代わる選択肢としての地位確立を目指すものです。
  • CBDCとは?中央銀行デジタル通貨の仕組みと日本への影響【2026年最新】 - SOICO株式会社
    中国のデジタル人民元(e-CNY)は、世界で最も実用化が進んでいる中央銀行デジタル通貨(CBDC)であり、2026年1月には世界で初めて利息付与制度を開始しました。これは、国際金融秩序、特にドル基軸通貨体制への挑戦として戦略的に位置づけられています。
  • Xinhua Silk Road:コンセンサスから行動へ、グローバル・サウスが国際的なグリーン資本の流れを牽引 - PR Newswire
    2026年3月26日、北京で「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開幕し、30以上の国・地域の政府関係者、銀行関係者、ビジネスリーダー、国際機関の代表が集結しました。このフォーラムでは、より包摂的で持続可能な金融協力の強化、金融発展とグリーン転換のための健全なエコシステム構築、ハイレベルな金融開放とグリーン金融連携の深化が議論されました。中国人民銀行のLu Lei副総裁は、「一帯一路」パートナー国におけるグリーン・低炭素投資を奨励する方針を示しました。
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