グローバル海洋秩序の試練:ホルムズ海峡の緊迫と国際法の原則

ホルムズ海峡危機:国際海洋秩序への新たな脅威

2026年2月28日、米国とイスラエルがイランに対して共同軍事攻撃を実施し、イランの最高指導者が殺害されたことを受け、イランはこれに対する報復措置として3月1日からホルムズ海峡の通航を事実上停止すると警告しました。この事態により、ホルムズ海峡を通過する海上交通は実質的に停止状態に陥っています。この混乱は、世界の日量原油供給の約20%に影響を与える可能性があり、世界のエネルギー供給に即時的な影響を及ぼしています。また、このイランの行動は、国際的な航行の自由の原則に対する重大な挑戦として国際社会に受け止められています。

エスカレートする軍事行動と経済的影響

イランの警告に続き、イラン革命防衛隊(IRGC)は3月1日から商船への攻撃を開始し、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を強行しています。この一連の軍事行動と封鎖により、世界の原油価格は急激な高騰を見せています。国際海事機関(IMO)は、一連の商船への攻撃発生と海上交通の減少を確認しており、事態の深刻さが浮き彫りになっています。

国際社会の対応と国際法の原則

ホルムズ海峡におけるイランの行動に対し、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダの6カ国は共同声明を発表し、イランの行動を強く非難しました。共同声明では特に、武装していない商船への攻撃、石油・ガス施設を含む民間インフラへの攻撃、およびホルムズ海峡の事実上の封鎖が国際海洋法、とりわけ航行の自由の原則に抵触する行為として指摘されています。国際海洋法は、すべての国の船舶が平和的な航行の自由を享受することを保障しており、今回のイランの行動はこれらの法的原則に対する明確な違反と認識されています。

グローバルな海洋ガバナンスの進展:BBNJ協定の発効

国際海洋法秩序においては、協力的な側面も進展を見せています。2026年1月17日、「国連公海等生物多様性協定(BBNJ協定)」が正式に発効しました。この協定は、国家管轄権外区域(公海)における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を目的とした初の法的枠組みを確立するもので、グローバルな海洋ガバナンスにおける歴史的な成果と評価されています。日本政府は、この協定の重要性を認識し、2025年12月12日にニューヨークの国連本部において加入書を国連事務総長に寄託し、締約国となっています。国連のグテーレス事務総長も、BBNJ協定の発効が重要なガバナンスの空白を埋め、回復力のある生産的な海洋を確保すると述べ、その意義を強調しています。

[ Reference ]

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