東アジア半導体市場の構造変化:米国の輸出管理強化と各国の戦略動向

米議会、対中半導体装置規制の同盟国への拡大を模索:新たな局面を迎える輸出管理

2026年3月2日、米下院に超党派の法案が提出され、人工知能(AI)半導体の製造に必要な装置や部品の対中輸出規制を強化する動きが見られました。この法案は、オランダのASMLホールディングや東京エレクトロンといった企業による半導体製造装置の販売に関する既存の規制を強化し、日本やオランダなど同盟国も対象とすることで、中国の技術的野心を一段と抑え込むことを目的としています。

米中半導体摩擦の深化と中国の国産化戦略

米国政府は2026年1月、中国向けAIチップ輸出の方針を転換し、NVIDIAのH200など一部製品の輸出を条件付きで認めましたが、25%の関税などの厳格な管理がなされ、最先端チップは引き続き中国市場から締め出されています。米国の輸出管理は中国のAIおよびハイエンドチップ開発を抑制することを目的としていますが、その主な効果は中国の半導体自給自足への取り組みを加速させていると指摘されています。実際、中国の半導体製造装置の国産化率は、2017年の4%から2025年には21%に達しました。

台湾のサプライチェーン強化と輸出管理への対応

台湾は、米国の対中半導体規制と協調し、輸出管理を強化しています。具体的には、中国のファーウェイやSMICなど特定の企業への半導体輸出に許可を義務付け、16nm以下の最先端半導体技術の輸出を原則制限しています。これは、最先端技術の中国軍事転用を防ぎ、自国の技術的優位性を保護し、地政学的リスクを管理することが目的です。

グローバル市場の展望と設備投資の動向

世界の半導体サプライチェーン市場は成長が見込まれており、2025年の9,077億4,000万米ドルから2032年には1兆3,120億8,000万米ドルへ成長し、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)5.5%が予測されています。また、世界の半導体工場における300mmウェーハプロセスへの設備投資は、AIデータセンターやエッジAIなどの需要、および半導体サプライチェーンやエコシステムのローカル化により、2026年に前年比18%増の1330億ドル、2027年に同14%増の1510億ドルと二桁成長が予測されています。

[ Reference ]

[ Advertisement ]